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2008年8月

2008年8月28日 (木)

二度あることは三度ある

何故か、申し合わせたように、同じ病気が続くことがあります。2件同じ病気の来院があると、決まってもう1件来院されるから不思議だと、同僚の先生達とよく感心したものです。

もちろん、病気によっては、ある季節に起こりやすいものもあります。たとえば、猫ちゃんに多い膀胱炎は、運動量、飲水量の少ない冬に多いとされています。ノミに起因する皮膚病や熱中症は、もちろん夏に多いです。

花火大会の翌日は、下痢や嘔吐などの体調不良のワンちゃんが続出します。綺麗な花火もワンちゃんにとっては、爆音でしかないんでしょうね。「喜ぶかと思って、一緒に観に行ったんです~。」なんて、苦笑い。

たいてい、お正月には、心臓病のワンちゃんが呼吸困難になり運びこまれます。お正月だからきれいにトリミングしてあげようとしたら、疲れ過ぎてしまったり。お客様が大勢いらっしゃって、あっちで大喜び、こっちで大喜び、おおはしゃぎしているうちに、心臓が耐えきれなくなり倒れてしまうようです。なので、重い心臓病をかかえているワンちゃんには、「お正月だからって、特別なことしないでね。」って、念を押すんですが。

ですが、季節や行事に関係ない病気が続くことがあります。当院では、ここのところ、立て続けに歯根膿瘍の猫ちゃんが来院されてます。歯の根っこが化膿して、膿が溜ってしまうことです。溜まった歯石が歯槽膿漏を起こして、歯根にまで細菌が入り込むことで生じます。奥歯の根っこは、3本ないしは、2本あるのですが、そのうちの1本だけがひどくなると、歯はしっかりくっついているだけに、膿が出て行けず、おのずと化膿は、奥へ奥へと進んでしまい、顔がパンパンになるほど腫れ、化膿が進んで皮膚が傷んでしまうと、ほっぺや顎の下から、ドロ~っと膿がでてきてしまうこともあります。sweat01

抗生物質でいったん治まることもありますが、根本的な治療は、悪い歯を抜いてしまうことです。ただ、動物の場合、ヒトのように「お口を大きく開けておいてくださいね~。」ってなわけにはいきませんので、歯の治療には全身麻酔が必要です。たいていは、高齢の猫ちゃんですので、全身麻酔となると、一大決心。15歳を超える猫ちゃんになると、たいていは「高齢だし、お薬でおさえていければ…。」というご意向になるのですが、その後、何度も再発し、その度、「でも、麻酔は怖いし…。」と悩んでいるうちに、いつの間にか猫ちゃんは18歳。「こんなことなら、あのとき(15歳のときに)麻酔して抜いておけばよかった。」なんて、よくあることです。

こんな風に悩まなくていいように、歯肉炎が起きないうちに、溜まった歯石は取り除いてあげるのが望ましいです。これも、やはり、全身麻酔が必要です。ですので、歯石が溜まらないように予防するのが、もっと望ましいです。

一番、予防効果が高いのは、歯磨きです。歯垢は約24時間で歯石に変わっていくので、1日1回歯磨きしてあげると、かなりの予防効果があります。ワンちゃんは、小さい頃からしつけの一つとして、習慣づけしていけば、たいてい歯磨きできるこになりますが、猫ちゃんは…性格によっては、難しいこともありますし、たくさん猫ちゃんのいらっしゃるお家では、現実的に無理…。かもしれません。

「デンタルジェル」というものもあります。ドロッとしたジェル剤を、歯肉に数滴たらして、口腔内ににいきわたらせることで、歯垢を出来づらくするもので、理屈としては、ヒトの「お口、くちゅくちゅモ〇〇〇〇」と同じようなものです。

お口なんて触らせてくれない~!という場合は、「ニャー!」と口を大きく開けて鳴いた瞬間に、お口の中の汚れ具合だけでもチェックしてあげてください。coldsweats01

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2008年8月19日 (火)

正しい猫の甘え方

三猫三様。猫ちゃんそれぞれ、性格も様々、甘え方も様々。

うちの三猫たち。犬タイプのゆきお君、気まぐれな虫太郎、いつもべったりのぶちゃにゃん。

「ゆきお~happy01」「にゃにゃ~cat」…呼ばれると犬のように駆けてくるゆきおくん。私が掛けてるソファーをパンパンとたたくと、ピョンと私の隣に飛び乗り、前足でもみもみ…。ゆきおちゃんが大好きな甘え方は、パクッと甘咬み。衣類の上からでなく、身をじかにパクッとするのがお好み。甘咬みとはいえ結構痛いので、痛いほど咬んでしまった時は叱っています。本人も、「パクッてしたら叱られる~。でも、パクッてしたい~。」ってな感じで、耳をふせ、眼を細めてシバシバさせながら、恐る恐る腕をパクッ。なぜに、そこまでパクッとしたいのかは解りませんが、彼は、17年間、そのパクッを日々の目標にしているかのようです。

対照的に、呼んだって絶対振り向きもしないのが、虫太郎。なのに、なぜか決まって私の寝入りばなに、胸の上にズンッ!と乗っかってきて、超力強くもみもみ。耳元で、「ブーッ!ブーッ!ブーッ!」っと騒音でしかないノド鳴らし。「うっ…と息が詰まりそうになり、眠りから引き戻され、その後、耳ざわりなノド鳴らし音が気になり眠れません。でも、めったに甘えてくれない虫太郎なだけに、冷たくもできず。寝苦しい夜の始まりです。

そして、なんとか深~い眠りに落ちた頃やってくるのが、ぶちゃにゃん。いつでも人の側にいて、すりすり甘えているぶちゃにゃん。どうやら、眠ってしまうと寂しいらしい。なんとか、気をひこうとでもしてるつもりなんだか、眠っている私を舐めまわし始める。ザラザラとした猫ちゃんの舌は結構痛い。それに、この季節、猫ちゃんと添い寝するには暑すぎる…。何やら居心地悪~い夢の中をさまよいながら、まとわり付くぶちゃにゃんを押し除け、払い除け…。結局、耳元で「ニャー!!」と叫ばれ、思わず薄目を開けると、のぞき込むニャンコの眼despair

先日、「ある時から、狂暴になってしまって、襲いかかってきて困ってるんです。」というご相談を受けましたが、どうやら、転居や家族構成の変化がきっかけとのこと。「襲いかかる」相手は、たいてい一番甘えたいヒトのようです。不安ややきもちをアピールしてのことのようで、そもそもは、ものすごく依存心が強い甘えんぼさんなんでしょう。ただ、それが故に、思い通りにならないからと、キレてしまったんでしょうが、猫ちゃんの気持ちを察すると、猫ちゃんも気の毒だし、でも、大ケガするほどの狂暴ぶりは、甘えてるんだから…では済まされない。困ったものです。

うちのにゃん達の勝手な甘えも、少々つらいことがありますが、可愛いものです…coldsweats01

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2008年8月12日 (火)

「えずいてます」

「えずいてます」そう言って来院されるケースで、「嘔吐」だと思われていたのが、本当は「咳」のことが結構あります。

「喉になにかひっかかってる感じでえずく」「えずいた時、白い泡を少し出す」「激しくえずくが食べたものは出さない」といった感じは、たいてい咳。

「食べたものを多量に吐く」「黄色いものを吐く」「お腹をへこませ、しぼりだすようにえずく」といった感じは、たいてい嘔吐。

でも、咳こんだ時の腹圧で嘔吐してしまうこともありますから、両方のこともあります。

オーナーさんが「嘔吐」だとおっしゃられたとしても、「本当は咳なのか嘔吐なのか」を見極めないと、それによって必要な検査や治療が全く違ってしまいますので、丹念に様子をおたずねしたり、いろんなバージョンの咳マネを見てもらったりします。

この咳マネもネンキが入るにつれ、随分上達したとは思いますが、猫ちゃんの咳マネは結構難しいです。というのも、あまり咳っぽくないバージョンが多いので、それでなくても「嘔吐」だと思われてらっしゃるケースでは、「???それが咳???嘔吐だってば。」といわんばかりの視線に負けず、頑張って咳マネをしなくてはなりません。

猫ちゃんの咳は、「ゲッゲッゲッゲッゲー」「「ゴッゴッゴッゴッゴー」「グエッグエッグエッグエー」「ハッハッハッハッハー」「ヒッヒッヒッヒッヒー」「ングッングッングッングッ」「グフッグフッグフッグフッー」とまあ色々ですが、これじゃあ全然伝わらないですねェ。難しい…。

ワンちゃんの咳のほうが、単純明瞭かもしれません。「おっちゃんが咳してタンを吐く感じでしょう…グオフォッグオフォッグオッフォッ!ウガーアー!グウエッ!ペッ!dog」ってマネするとたいてい「そうそうそう!」といって、結構ウケます。

咳だと察しがついたら、その原因究明です。大まかな分類として、ウイルスや細菌の感染症、喘息といわれるアレルギー性の気管支炎、心臓疾患、胸腔内の腫瘤や異物。そして、フィラリア症ですが、これは、フィラリア虫に対するアレルギーが関係した呼吸器症状です。

喘息は「乾いた感じの咳」とか、心臓疾患や肺炎は「湿った感じの咳」とか、異物や腫瘤に圧迫された時は「ひっかかった様な咳」とかっていう、ある程度の傾向はあるものの、咳の仕方だけで診断するのは難しいです。

ワクチン接種、フィラリア予防をしているかどうかの確認、身体検査に加え、レントゲン検査や血液検査、必要によっては心臓超音波検査やフィラリア抗体検査などもおこなって、原因を探っていきます。

ちょっとついでな感じで、「こないだ咳してたんですけど、フィラリア症大丈夫でしょうか?confident」と問われることがあります。決して、意地悪を言うわけではないのですが、フィラリア症による咳なのかは身体検査だけではわかりません。フィラリア症に感染した既往があるかを、フィラリア抗体検査で確認し、レントゲン検査や血液検査でその影響がどの程度出ているのかを診ていくことになります。

そう説明すると、「どうして、大丈夫って言ってくれないのよ…。coldsweats02」と戸惑った表情をされ申し訳ない気分になるんですが、仕方ないんです。そういう「症状も診断もわかりにくい」病気なんですから。sad

いずれも深刻になってしまうと大変な事態を起こしかねません。「また、えずいてる?でも、吐かなかったから大丈夫」(?)みたいなことがあったら、「咳」かもしれないと、ちょっと気にしてあげて下さい。

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2008年8月 5日 (火)

不思議な関係

以前、勤務していた動物病院に、相思相愛のアビシニアンの猫ちゃんとバーニーズ・マウンテン・ドッグのワンちゃんがいました。大きなワンちゃんのふところで、まるまって眠る猫ちゃんの姿は、猫ちゃん同士がまるまって眠っているのにもまして、微笑ましく、いやされる光景でした。ただ、舐めあいっこすると、あまりにもワンちゃんが大きいので、アビシニアンの全身が一瞬にして、よだれまみれのデロデロになり、臭~くなってしまうのは困りもんでしたが。

そんな、ワンちゃんと相思相愛で暮らしている猫ちゃんが来院されました。が、ちょっと、これが困りものなんです。

3歳の去勢済み♂の猫ちゃん。額と頬が、ただれて真っ赤な傷になってしまってます。どうやら、同居の♂チワワさんにやられるそうです。てっきり、いじめられるのかと思いきや、よくよくお話をお伺いすると、そうでもないようで困ったのです。

赤ちゃんネコの頃、このチワワさんがお尻を舐めてあげたりと、育ての親だったそうです。以来、ふたりは、ずっと仲良し、べったり。しかし、チワワさんの有り余る愛情なのかもしれませんが、猫ちゃんを押さえつけてでも、ベロベロ舐めたり、あげくのはてに頭をガジガジかじったり。そして、猫ちゃんの額と頬は痛々しいことになってしまったとのこと。

かといって、猫ちゃんは嫌がるどころか、舐められ、そしてかじられてもウットリ。あまりに傷がひどくなったので、ふたりを離そうとしたら、ふたりして寂しがって鳴くんだそうですcrying。(男の子同士でなんか変。と、内心思ったりして。カンケーありませんですね。)

いくらなんでも、こんなにも真っ赤にただれて傷になってしまっては…ワンちゃんと猫ちゃんが仲良くしてて微笑ましいheart01というのを通り越してしまっています。

まずは、化膿を抑える治療をしてみるとして、しかし、舐められ、かじられ続けているからには、おそらく治りようがありません。けど、ふたりの仲は引き裂けないとなると難しい…。せめて、舐めるだけでかじらなければ、それほどひどい傷にはならないのでしょうが…。

♀のワンちゃんで、性周期に沿った仔育て行動的なものなら、避妊手術をすることで、たいていはしなくなります。♂のワンちゃんなんで、???なんですが、愛情というより支配欲が強くなっての行動ということもありえるのかと、ワンちゃんの去勢手術を考えてみては…、と、提案しました。

それで、チワワさんが猫ちゃんにひどく執着しなくなれば良いのですが、でも、そうなると、猫ちゃん的には、物足りなくなったりするんだろうか…heart03。余計な心配ですネ。

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