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2009年1月

2009年1月21日 (水)

キャットドック(健康診断)

「人間ドック」なる言葉を聞くようになったのは、昭和50年から60年代になってからではなかったかと記憶していますが、おそらく、高度経済成長を支えて、懸命に働き続けてこられた方々が、更年期をむかえる頃となり、知らずと進行している成人病や、悲しい突然の死など、健康不安が社会的にも問題視されはじめた背景から、ゆとりある暮らしだとか、病気の早期発見・早期治療が大切だと云われて、一般化したように思います。

バブリーな時代は、リゾートホテル顔負けのリッチな施設で、健康診断がてら、丸一日ゆったりと過ごしてリフレッシュ。検査後は結果待ちのあいだに、豪華フランス料理をいただく…といった、人間ドックの紹介をTVでみたこともありました。

さすがに、このところはそういった贅沢バージョンは、あまり耳にしなくなりましたが、検査内容の進歩には、驚かされるばかりです。脳ドックが広まった時には、健診のためにCTやMRI検査をするなんて!と、思いましたが、今や当たり前のことになりました。癌の早期発見には絶大なPET健診なるものなんて、初めて耳にした時、「ペットも健康診断が大切~。」という話かと思ってしまいました。違いましたね。すごく簡単に言ってしまうと、癌にくっつく目印を流し込んで、それを写し出すものでした。スバラシイです。

獣医療では、まだまだ、できることは限られていますので、ヒトのレベルの健診は難しいですが、それでも、かなり役立つ健診が可能です。自覚症状を説明できない動物たちのことですから、本当に不調をきたしてからでないと、気づいてあげられないことを、未然に防ぐことができるかもしれません。

膀胱炎は寒い季節に多い病気のひとつです。「真っ赤なおしっこをした。」とか、「朝から何回もトイレに入ったり、出たり。」というのが、その変調に気づくきっかけのことが多く、たいていは、「今日から突然」「急に」と感じられるようですが、おそらく、始まりはずっと前のはずなんです。だって、「なんか、最近、おしっこした後、ムズッとするなあ。」という猫ちゃんの思いを、どんなに深く愛してらっしゃっても、解ってあげるのは、ちょっと不可能ですよね。

黄色いおしっこでも、調べると血液反応が出ていることもありますし、レントゲン検査やエコー(超音波)検査で、偶然、膀胱結石が発見されることもあります。まだ、ひどく炎症をおこしていなければ、食餌療法を始めるだけで済むこともあります。

キャットドックについて、時々、お問い合わせいただくことがありましたので、何を検査するのか、何がわかるのか、というご説明を、ホームページの健康診断のページに加えました。身体検査、糞便虫卵検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、心電図検査、エコー(超音波)検査、甲状腺ホルモン測定検査を基本としていますが、心配な症状や、身体検査上の問題があれば、加えて他の検査をすることもあります。

それぞれの検査は、それぞれに、解ることが違うものなので、結果の組み合わせで、評価することが望ましいのですが、ご費用の問題もありますので、年齢や体調から、必要性の高い検査にしぼって検診することも可能です。

日頃、診療していて感じるのですが、ワンちゃんに比べると、血液検査をしたことがないという猫ちゃんは、非常に多いのです。ワンちゃんは、フィラリア予防スタートの春に、フィラリア検査をするために採血しますから、ついでに、健康診断の血液検査も済ませるという機会があるからでしょう。体調の良いときのデータは、何かのときに、どう変化しているのかの大切な情報になりますから、キャットドックとまでは…と、いうところなら、ワクチン接種なんかで来院されたときに、血液検査や尿検査だけでも済ませておくのも良いかと思います。

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2009年1月17日 (土)

お詫び

本日、夕刻近くまで、電話回線のトラブルにより、電話が不通になっておりました。

復旧に、時間がかかり、ご迷惑をおかけした方がおいでだったかと存じます。

大変、申し訳ございませんでした。

土曜日は休診と思われた方がおいでだったかもしれませんが、

土曜日も、通常通り、診療いたしております。

今後、トラブルのないように、細心の注意を払ってまいります。

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2009年1月15日 (木)

心臓エコー(超音波)検査

先日、心臓超音波検査についての講演に行ってまいりました。かねてから、お話をお聞きしたいと思っておりました心臓の超音波検査では定評のある、循環器を専門とされている大学の先生の講演です。

ただ、ちょっと気がかりだったのは、ネコのお話もしてもらえるんだろうか、ということ。循環器疾患のバリエーションとしては、犬のほうが多いこともあって、循環器の講演は、とかく、イヌ中心のお話だったりするのが、毎度、不満な私としての期待です。

講演前に配布された抄録に眼を通すと、ネコのお話も充実してそうです。「これは、楽しみ!かなり、勉強になりそう!」心躍ってしまいました。

実症例のリアルな超音波検査の動画を織り交ぜての講演は、まれにしかない病気なんて、見れるだけでも貴重な経験ものでした。

サービス精神旺盛な大先生は、このレベルならこんな治療で…と、熱心さ余って、ちょっと、検査の話にとどまらず、脱線、脱線。もちろん、それも、大変貴重なお話なんですが。「私は、フィラリアは大の得意なんですよー!」となると、止まらない、止まらない…ちょっと、イヤな予感が…しましたが、やっぱりでした。「ちょっと、時間がなくなってしまったので、ネコの話は中止で…。」(やっぱりですか…)

いただいてきた抄録をのぞき込み、載っている写真をマジマジと眺めながら、これの動いてるのが見たかったー!と、思ってしまう私です。比較的、多い疾患は、一般の動物病院でも、遭遇する機会がありますが、中には、生涯中に何度と診る機会のないほど、稀な疾患もありますので、こういった講演で見せていただけるだけでも、またとない経験となるんですが。

ネコの心臓疾患といえば、ほとんど心筋症ですが、基本的には肥大型、拡張型、拘束型の3タイプがあり、中には、分類できないものもあるほど、「いろいろ」です。その程度や、心臓の変化もそれぞれですから、1症例でも多くどんなパターンがあるのかを見ておきたいのです。

遺伝的に心筋症の素因を持つとされている品種もありますが、他の疾患の影響で、二次的に心筋症を起こすこともありますので、雑種だから大丈夫…なんてことは、決してありません!

二次的に心筋症を起こす代表的な疾患は、腎障害による高血圧や尿毒症、甲状腺機能亢進症、糖尿病などです。猫ちゃんの代表的な成人病ですね。

心筋症好発品種では、若齢でも発症することがありますので、特に症状がなくても、一度心臓検査を受けておかれると、その素因が大きいかどうかという確認ができるのと、その後の変化具合を知る上で、重要な情報になります。

心筋症を発症して来院されるケースのほとんどが「急に」だとおっしゃられます。そして、ほとんどが、かなり危険なほどの重症で、レントゲン検査をしようとしたら、興奮のあまり呼吸困難になりそのまま亡くなってしまったという事例も、まま耳にしてしまうことです。獣医さん側でも、そういったことがありえるという認識は、皆、持っていますので、重々注意を払っているにもかかわらず、あってはならないことなんですが、起きてしまうこともあるんです。それだけ、かなり、ギリギリの病状にまでなってからの来院が多いんだとも思います。そして、来院するだけでもドキドキして限界に近づき、何をされるの!とさらにドキドキしただけで、限界を超えてしまうのでしょう。

お散歩を日課としているワンちゃんでしたら、最近、いつもの散歩コースの途中から、歩くのが遅くなるとか、途中から歩きたがらないとか、歩くと息切れしやすくなったとか、運動すると咳をするなど、心肺機能の衰えが解りやすいので、遅くとも、咳をするようになると、気にされて来院されるケースが多く、まだまだ、初期の段階で検査や治療を始めることができます。

ですが、自由気まま生活の猫ちゃんは、疲れたら眠る、しんどかったら動かない。ハアハア、ゼイゼイしながらでも走り回る猫ちゃんなんていないでしょう。どうしても、疲れやすくなったなんて、初期症状には気付きようがありません。そんな猫ちゃんが、「呼吸が荒くて、ごはん食べない」なんてことは、もうすでに危篤状態に近い病状になってしまってるのです。

呼吸の荒い猫ちゃんを診ると、(お願い、興奮しなでね。)と、実は、猫ちゃんと同じ位ドキドキしながら寿命の縮まる思いで、レントゲン撮影をしなくてはなりません。とくに、心筋症好発品種というわけでなくても、もちろん、若齢のうちに、検査しておくのはメリットのあることですが、成人病が始まりやすいシニア年齢(7歳前後)になったら、総合的な検診を受けておくのは、やっぱり大切…。(ドキドキしながらレントゲン撮るのはイヤだ…。)bearingとセツに思うのです。

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2009年1月 6日 (火)

冬は猫ちゃんの季節?

明けましておめでとうございます。

お正月は、皆様、楽しくお過ごしになられたでしょうか。猫ちゃん達も、トラブル無くお過ごしだったでしょうか。今のところ、当院に来院されたお正月トラブルにゃんこさんは、イロイロとご馳走の拾い食いをしたせい?かは、解りませんが、お腹をこわしてしまったWちゃんくらいでしょうか。

お正月といえば、年賀状というヒトもぐんと減ってしまってはいると思いますが、それでも、年賀状くらいでしかお付き合いが無くなってしまっている方々との、繋がりを経ってしまうのが寂しくて、昔気質かしらとは思いつつも、いまだ続けている私です。

今年は、「猫の診療室」の開院のご挨拶をかねた年賀状だったこともあってか、旧友の獣医さんや先輩獣医さん方から、たくさんの激励をいただきましたが、「猫ちゃんだけの病院ってどんな風?」と、皆様、色々な疑問をお持ちになるようです。

普通の動物病院だと、春先から初夏にかけては、市町村から狂犬病予防接種の案内が届くせいもあって、ワンちゃんの狂犬病予防接種とフィラリア予防スタートを一緒に済ませよう組が、いっせいに来られるので、待合室はワンちゃんだらけという感じになります。一年を通じて、最も動物病院が忙しいのは、この時期です。夏は、暑さに弱いワンちゃんの夏バテや、皮膚のトラブルで、やっぱりワンちゃん優勢。ですが、急に寒くなる晩秋の頃から、猫ちゃんがクシャミをし始めたり、膀胱炎を発症したり、と、若干、猫ちゃん優勢になるものなのです。

「猫ちゃんだけの病院は、いったい、いつが忙しいの?やっぱり、冬?」この疑問が多いようです。基本的に、季節ごとに発症しやすい病気というものがあって、それは、普通の動物病院でも、猫ちゃんだけの病院でも、同じなわけで。ただ、猫ちゃんだけの診療を受けていると、「寒くなったな~!」と感じたとたん、「血尿が…」「頻尿で…」「おしっこが出にくい…」と膀胱炎をおこしてしまった猫ちゃんが連続で来院されるので、毎年そうだったはずなんですが、それでも、「やっぱり、冬は猫ちゃんの膀胱炎の季節なんだ…」とあらためて感心してしまいました。

そして、ここのところ、多いのが、慢性腎不全が悪化してしまったお年寄り猫ちゃんです。腎不全になると、尿を濃くすることができなくなり、水分の排泄量が増えますので、おのずと、いつも身体は水分不足になってしまっています。その上、体調を崩して、食欲が落ちたりすると、驚くほど一気にひどい脱水症状に陥ってしまいます。薄い尿は、細菌が入り込みやすいので、抵抗力が落ちると、容易に膀胱炎や腎炎をこじらせてしまいますので、ちょっと様子をみて…なんて思っていると、どんどん重症になってしまいます。

やっぱり、冬は、猫ちゃんの病気に要注意の季節のようです。しかし、うちの、18歳長老にゃんこは、最近、妙~にハイテンションで、ベタベタと付きまとってきては「ギャーギャー」と意味不明なアピールをしていて、やけに元気で気味が悪いほどなんで、まだまだ、大丈夫そうかな、なんて安心させられますが。でも、油断大敵ですね。獣医さんの不養生になってしまいますから。

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