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2009年3月

2009年3月30日 (月)

ペンちゃん、おしっこ済ませて病院へ

「ぺんちゃん、病院へ行くから、おしっこしてきなさい。」お母さんに言われて、ペンちゃんトイレへ。おしっこを済ませたら、玄関においてある、キャリーの中で、お母さんの支度を待つ。

(そんな、猫いないだろー。たまたまでしょー。)正直、初めてお聞きした時は、そう、思いましたが、数日毎の通院の度、そうやって、お母さんの言いつけをちゃんと守るペンちゃん。前日の夜、「明日は病院ね。」と言っておけば、言わなくても、おしっこを済ませて、キャリーの中で待ってるとか。パターン的に、「今朝は病院?」とばかりに、勝手にキャリーに入ってたりもするらしい。「今朝は、お母さんの病院があるから、ペンちゃんは夕方まで待っててね。」と言えば、どうやら、事情を理解して、キャリーから出て寝床へ。

「ペンちゃんは、ここの先生方が大好きで、病院に行くのが嬉しいみたい。」そう、おっしゃってくださいます。確かに、自らキャリーに入って待ってるんですから、そうなのかもしれません。でも、ペンちゃんはいつも、診察台の上で、「ウガー!」と、唸ります。(病院が好きなのか、イヤなのか…意味がわからん。)とも思いますが、以前のかかりつけの先生のところでは、咬む、ひっかく、吠える、暴れるの乱闘だったそうなので、気に入ってもらえてるんだか、ペンちゃんが歳をとってまるくなったんだか。

診察の度、お母さんは、ペンちゃんとの「ひとりと一匹暮らし」のご様子を、楽しくお話してくださいます。お昼寝の様子。お母さんのお魚を少しだけ、おすそわけしてあげたこと。うんこが硬くて、出すのに苦労してたこと。それを、手伝ってあげようと、四苦八苦したこと。

少し前に、ペンちゃんが大好きだったお父さんが、ご病気で亡くなられたそうです。時折、お父さんの帰りを待つかのように、玄関へ行って座っているペンちゃん。なので、いつも、お父さんが帰ってきたら、そうしていたように、靴を揃えて置いておくことにしたそうです。「靴があるのを確認すると、少しは納得するみたいだけど、寂しそうで。お父さんの入院中も、ペンちゃんのことはほったらかしで、随分、我慢させたから…。」そうおっしゃって、ペンちゃんのことを、いっそう大切にされているお母さん。

いつも、明るくて、楽しいおしゃべりをしてくださるお母さんですが、ペンちゃんがそうやって、手こずらせたり、世話をやかせたりしてるのが、案外、元気の源なんじゃないかと思わされます。ペンちゃん、お父さんから、お母さんのことを頼まれてたのかもしれません。それとも、時々、お父さんがペンちゃんのところに来ていたのでしょうか。だって、出かける前に、おしっこを済ませてくる猫ちゃんなんて、変です。お母さんとお出かけするのを楽しみにしていたのは、お父さんなのかもしれないなんて、私は、ひそかに思ったりしていました。

そんな、「ひとりと一匹暮らし」を拝見していると、なんとも、ほほえましいので、ペンちゃんには、できるだけ長生きして欲しいと、切望させられますが、もうすでに、高齢のペンちゃんですし、永遠に元気でという訳にもいかないことも、仕方のないことです。

それでも、それから1年半ほどになるでしょうか。先日、ペンちゃんが亡くなったと、風の便りに聞きました。いくつになってたんでしょう。20歳近いはずです。さすがに猫ちゃん的には、寿命の限界だったのでしょう。十分にお役目を果たして、天国でお父さんに褒めてもらっているかもしれません。

ペンちゃんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。そして、お母さんが、お変わりなく、明るく、楽しく、お元気でお暮らしになられますように。

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2009年3月24日 (火)

白内障でしょうか?

「眼が白いんです。白内障でしょうか?見えなくなるんでしょうか?手術できますか?」そんな、ご心配をされて質問をお受けすることがあります。それだけ、身近な方が白内障だったり、それで、手術を受けられるといったケースが多いので、「白内障」という病名をよくご存じなのかなと思います。

ですが、「眼が白い」ということで来院されて、本当に白内障だったことって、意外と少ないんです。では、何が白いのか。ですが、最も多いのは、角膜が白く濁ってるケース。次が、瞬膜(第3眼瞼)が突出して、眼を隠してるケース。

Eyedanmen_6 角膜とは、眼の一番表面の膜です。コンタクトレンズをのっけるところです。通常は、無色透明なソフトコンタクトレンズのような膜ですが、傷がついたり、炎症がおこると、表面が白く濁ります。眼圧が高くなる緑内障の場合は、角膜の内側が白く濁ります。深い傷の治った痕や、慢性的な炎症の結果、白い濁りが残ってしまうこともあります。

瞬膜は、ヒトには無いものなので、ご存じない方も多いのですが、角膜とまぶたの間にあって、犬、猫では、眼の内側腹側から斜め上に向かって、まぶたの開閉する動きに連動して、出たり、戻ったりしています。角膜の保護をしているものです。普通は、眼を開いているときには、出ていません。突出したままになっていると、白眼をむいた感じで、眼つきの悪い風貌になってしまうので、とても、驚かれるようです。これは、結膜炎などで、腫れがひどいための場合と、この瞬膜の動きをつかさどっている神経の問題で生じる場合があります。多いのは、下痢などの消化器症状による影響。他に、耳の奥や頸部、胸腔内を走る神経を圧迫するような、中耳炎、腫瘍、外傷などによるケース。あと、やはり、神経的な問題ではないかといわれていますが、左右両方の瞬膜が突出している以外には症状のみられない、「特発性」と呼ばれるケースもあります。

「眼が白い」というキーワードでも、これだけ色々なことになってしまいます。お電話で、質問をお受けすることもありますが、ケチでも意地悪でもなく、結局、「診てみないとわかりません。」と申し上げるしかないことがほとんどです。まず、「どこが白いのか」からして、診てみないとわからないことがあるからです。

さて、白内障ですが、その病名はよくご存じの方が多いのですが、詳しくは、ご理解されていないことも多いのです。水晶体(レンズ)が白く濁ったものですが、水晶体は、猫ちゃんなら、光に反応して、細長くなったり広がったりする「虹彩」という膜のまだ奥にあるので、よほど、意識して覗きこまないと、観察しづらいところにあります。ですので、初期白内障のわずかな濁りに気付かれることはあまりありません。「眼が白い」と気付くほど、白くなった白内障は、すでに、かなり進行したものです。

そして、この白内障は、老齢化に伴うものだけではありません。若くても生じるものに、外傷による炎症が災いして生じるケースや、ワンちゃんでは若年性白内障の遺伝的素因を持つ犬種もあります。にわかに白くなったとおっしゃられる白内障は、糖尿病の急な悪化を意味することもあります。とくに、猫ちゃんでは、ワンちゃんほど老齢化に伴う白内障が顕著にみられることが少ないので、本当に白内障なら、むしろ、糖尿病を心配しなくてはなりません。

さて、白内障になってしまった場合、ヒトと同じように手術して治療することができるのか、ですが。手術は可能です。ヒトと同じように、白く濁った水晶体(レンズ)を取り除き、代わりに人工のレンズをいれます。これは、動物専用のレンズです。

ただ、ヒトと比べて、手術を難しくしてしまう要因がいくつかあります。まずは、白内障に気付く、もしくは手術を検討するタイミングが、少しでも見えづらいと不自由を感じるヒトとは異なり、どうしても、かなり進行してしまってからになってしまうこと。他には、ヒトは局所麻酔で手術できますが、動物は全身麻酔が必要なこと。そして、案外、手術後の経過を大きく左右する要因として、手術後の安静や点眼治療が十分に行えるかということです。眼の状態、全身状態がクリアーしていても、点眼するのにも大騒ぎしてしまうとなると、手術後の治療ができず、大変なことになってしまいかねませんので、手術しない方が良いということだってあるのです。

ですので、獣医療の技術的には、手術が可能なのですが、ヒトよりは制約が多くなってしまいます。それでも、ほんの20年前に比べても、飛躍的に進歩した獣医療領域のひとつです。

交通事故時の外傷が原因で、まっ白になるほどの白内障になり、全盲となってしまった、まだ、1~2歳の猫ちゃん。本当なら、やんちゃ盛りの歳ですが、いつも、おとなしくゴロゴロ寝てばかり。ところが、白内障の手術後、視覚が戻ったとたん、猫じゃらしに飛びつき、追っかけ、くるくる回って大騒ぎ。この姿を見た時には、かなりの感動ものでした。もちろん、これは、かなりのラッキー・ケースです。

動物は、視覚以外の感覚が発達しているので、暮らし慣れた環境なら、食事したり、排泄したり、歩きまわったり、と、日常生活にはさほど不自由せずに生活することができます。ですが、再び、イキイキと獲物を狙う、ちっちゃなハンターの眼差しを取り戻せるのは、動物にとっても、それを見守るご家族にとっても、最高の喜びにちがいありません。

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2009年3月16日 (月)

花粉症

いよいよ、花粉症の方には、辛い季節なんでしょうか。私は、幸い、今のところ大丈夫なんですが。こればかりは、いずれ、発症するかも知れず、毎春、「今年も大丈夫っぽい。」と安心させられるのです。

動物にも、アレルギーはあります。アレルゲン(アレルギーの原因となるもの)は、食餌だったり、ハウスダストだったり花粉だったり、ヒトと全く同じです。ある時、突然、発症するのもヒトと同じことなんですが、何故か、動物に関しては、そうは思ってらっしゃらない方が多く、「だって、ずっと同じフードだし、ずっと、同じところに居るし。」

ある意味、ずっと、同じだから発症したのです。今年から発症したアレルギー症状でも、今年から始まったのではありません。そもそもは、正しい身体の反応として、「異物がはいってきたぞ!やっつけよう。」これが、アレルギーの始まりの始まりです。

そして、繰り返し、繰り返し同じ異物をやっつけているうちに、やっつける力がどんどん強まり、ある時から、必要ないほどの力でやっつけようとしてしまう。これが、身体にとって、有害となるほどの反応になってしまったのが、アレルギーというわけです。発症するのは突然ですが、水面下で着々と進行していた結果なのです。

それでも、「うちのコに限ってアレルギーだなんて、今まで大丈夫だたのに。」と信じがたいご様子の方には、「ヒトの花粉症だって、ある年、突然発症するでしょう。それと、同じことです。」そう、ご説明すると、容易に納得されるので、ヒトの花粉症はそれほどに一般的で、認識が高いものなのだと、感心させられます。

毎年、春になると耳が痒くなるという猫ちゃん。春だけ、痒み止めを塗っていれば、なんとかなっていたのですが、夏が過ぎ、秋になるにつれ、どんどん赤くなり、ひどくなったので、食餌やなんかも関係しているかもしれないということで、アレルギー抗体検査を実施することになりました。

これも、ヒトでは一般的になっていて、特に、小さなお子様で「大豆がダメ、卵がダメ…」なる話になるのは、この検査結果に基づくことです。血液を検査機関に送って調べてもらう検査なので、以前は一般的にされていた皮内反応検査に比べると、随分簡単になりました。

皮内反応検査は、ヒトでは腕の内側に10ヶ所位傷を付けて、そこに、それぞれ異なるアレルゲンの試薬を付けて発赤反応を診る方法です。そのうち、傷は治るとはいえ、ちょっと見た目的には抵抗ありますよね。

犬・猫でのそれは、体幹側面全体を毛刈りして、田植えするかのように、側面全体に試薬を皮内注射して、反応が強いアレルゲンのところ程、大きく腫れることで判定します。世の大人の方には、昔懐かしいかもしれませんが、ツベルクリン反応検査と同じものが、側面全体にいっぱいできるのです。本人は、見た目を気にしたりしないとはいえ、ちょっと、抵抗を感じずにはいられませんでした。

さて、その、アレルギー抗体検査を実施した猫ちゃんですが、結果、驚くほどの項目数で、高い抗体価がみられました。花粉に関しては、春~夏にかけてのものと、夏~秋にかけてのもの3種類で反応があり、それ以外にも、ハウスダストに強い反応が出ていました。なるほど、秋になっても治まらなかったわけです。

お子さんもハウスダストのアレルギーがあるので、部屋中に空気清浄機を設置したり、まめに掃除機をかけたり、防ダニグッズ満載にしてるのに、それでも駄目なのかしらと、がっかりされていらっしゃいましたが、イエイエ、おそらくは、それだけ頑張ってらっしゃるから、この結果のワリに軽症で済んでるに違いないと思われます。その証拠に、冬の間は、全く痒くなりません。ハウスダストは、高温多湿な春~夏に増えやすくはなりますが、暖房をいれる室内には、冬の間だっていますので、それでも、冬の間は鎮静化しているのは、すばらしい努力のたまものだと思います。

結局、この猫ちゃん。「うちの子もアレルギーがひどくて苦労したけど、猫までアレルギーだなんて。」と、お母さんにお小言聞かされながら、春、夏、秋と耳に痒み止めを塗ってもらって、やり過ごすしかありませんでしたが、いつも、気位高いおこりんぼ大猫様が、痒み止めを塗るときだけは、うっとりとして、塗らせてくれるので、それがまた、愛おしいようではあります。

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2009年3月 9日 (月)

同窓会

まったく、私事ではありますが、私という獣医さん誕生にまつわる大きな勘違い話をおひとつ。

昨年、秋に行われた高校の同窓会の集合写真が届きました。学年生徒数約430人中約300人が出席という盛大な同窓会でしたが、いい大人が、集合写真1枚とるのに、「前に集まってください~」「並んでください~」「詰めてください~」「前のヒト少しかがんでください~」と、約30分を要したわけで。しかも、プロの写真屋さんの撮影。「こんな、写真ほしいか?」と、すっかり大阪のおばちゃん化した女性陣。

「会の最中に撮影したスナップ写真をそれぞれのヒトに送るのが大変なんだ。」とこぼす、世話役の彼に、「今時、「写真」なんて…デジカメの画像を取り込んで、各自アクセスしてもらえるところにアップすれば!?」なんて、軽口たたいてしまいましたが。ですが、さすが、プロのお仕事。バランス良く、美しい集合写真。「写真」というアナログな感じも、高校時代を懐かしく思い出され、良いかもしれません。

今回は、恩師にもお声をかけようということになり、日頃、思い出すことも少なくなっていた恩師との再会を楽しみにしておりました。とくに、おそらくは、私が獣医科大学へ進学するに至る一端を担がれることになったであろう、一年次と三年次を担任してくださった先生には、訊ねたいこともあり、ご報告しそびれていたこともあり。

国語科の先生で、お給料のほとんどを書籍購入にあてていると語るほどの、読書好きな女性の先生。獣医師以外にも、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士等々、興味ある分野の中で進路を迷い、煮え切らない私に、「面白かったわよ。」と、手渡してくださった「動物園のお医者さん」という単行本。キリンに水鉄砲で目薬をさす話など、動物園での獣医さん奮闘記のお話です。他にも、獣医師関連の面白そうな書籍を見つけては、「○○○…」という本が出てて、面白そうよ。でも、ハードブックの本で、ちょっと、予算オーバーだから、良かったら買って読んでみて。」と、何故か、獣医師をさりげなくすすめられている感。

振り返ってみるに、当時、どんな思惑で、私に獣医科大学への進学をすすめてくださったのか、ずっと、気になっていたことではありました。私に、資質があると見込んでくださっていたのかしら、はたまた、楽な方へ流れぬようハッパをかけてくださっていたのかしら…と思ったり。

最終的には、獣医学科一本に進路を絞って、受験に臨むことを決心した私でしたが、「今年は受験するだけ無駄かなあ。」と弱気の発言に、「あらぁ、受けてみないと解らないわよ~。」と、お上品な励まし。「そうかも。」と、すっかりその気にさせられ受験。

なんとか、合格通知をゲットし、「お陰様で、合格しました。」という私に、いつもお上品な先生が、「グェ!?catface」(…ホントは合格すると思ってなかったらしい…) 私の一件で、その後の教師生活では、「受けてみないと解らないわよ!」と、力強くご指導されていたに違いありません。

残念ながら、勤務先の学校行事の都合で、今回の同窓会には参加できなかった先生に、お手紙をさしあげ、現況のご報告と、「当時、私に獣医師への道をすすめた思惑は何だったのか。」を訊ねてみることにしました。

思惑など何もなかったとのこと。むしろ、私から、何かにつけ、獣医というキーワードを聞かされていたのか、関心を持っているように感じたので、本をお貸ししたりしたんじゃないかしら。みたいな、ご返答。本をお貸しくださったことも、うろ覚えでいらっしゃる程、思惑などなかったようです。

資質を見込んで、おすすめくださったのかしらなんて、とんだ勘違いだったんですね。四半世紀近く経って、明らかにされた驚きの事実でした。

先生には、獣医科大学に進学してからのその後をご報告できずじまいでしたので、小動物臨床の道を選び、勤務医時代を経て、今、猫専門病院を開院するに至るまでの遍歴をご報告をさせていただきましたが、とても、喜んでくださり、「すばらしい文章力です。」などと、国語科の先生に過分なお褒めのお言葉までいただきました。赤字で添削され、返信されてこなくて良かったです。

存じ上げないことでしたが、お住まいの事情で、動物は飼えないけど、猫が大好きで、カレンダーはいつも「猫」なんだとか。「猫専門の病院なんて、素敵ですね。」とも、おっしゃってくださいました。

そこで、ピンときてしまったんですが、私にお貸しくださった「動物園の獣医さん」。私のために、購入してお貸しくださったのではなく、実は動物好きだった先生ご本人が読みたくて、購入したものを、読み終えたからお貸しくださったのでは…、ということ。私の中では、私のために…という美談だったのに、これもとんだ勘違いだったのかも。happy01次の同窓会で、ゼヒ、お聞きしてみたいと思います。

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2009年3月 3日 (火)

ストレスだらけのペット達

ストレスだらけの私達、現代人の暮らしに、癒やしをもたらしてくれる、ワンちゃん、猫ちゃん達ですが、そんな彼らにとっての、ストレスのお話。

先日、皮膚病の勉強会で、講演いただいたお話です。ペットがかかえるストレスによる皮膚病。

ずーっと、前足を舐め続けるワンちゃんがいます。指を広げて、その間までも、裏までも、舐めつくして、それでも、気が済まないのか、皮膚が赤くタダレ、パッドがふやけるほどに舐め続けるワンちゃんもいます。

先生の持論では、これはストレスによる行動。では、どんな暮らしが、ストレスなのか、ですが、「自分で思い通りにならない環境」が、ペットにとってのストレスなんだとか。考えてみると、そりゃあそうですよね。居場所も、生活パターンも食餌も、私達、ヒトが決めた通りにしか、なりようがないんですから。

一日中お留守番で、ほとんど一人ぼっちの暮らし。どうせ、寝てるんだし…と思ってしまいますが、ホントは、寂しくて、退屈で、不満満載なのかもしれません。

逆に、一日中、お母さんとふたりきりの暮らし。四六時中、ワンちゃんに話しかけるお母さん。その先生曰く、ワンちゃんは、言葉をすべて理解できる訳ではないので、私達が理解不能なロシア語かなんかで、一日中話しかけられるのと同じこと。確かに、それが、毎日だとしたら、精神的にまいってしまいますよね。愛情たっぷり注いでると信じているお母さんですが、ワンちゃんのほうでは、「すこしはだまってろ!」とムカついてるかもしれません。

「皮膚病で来院されるワンちゃんのお母さんは、よくしゃべる。」長年、皮膚病を診てきた先生の分析結果だそうです。

猫ちゃんに多いのは、下腹部から内股あたりを舐めて、ツルンとなるほどに、毛をそぎ取ってしまうもの。さらに、擦り傷をつくってしまうまで舐めたおす猫ちゃんもいます。

猫ちゃんにとってのストレスは、同居の猫間の問題が多いんだという、先生の分析。確かに、新しい猫ちゃんが増えてから、毛をむしったり、舐めつづけるようになったという猫ちゃんはいますので、そんなケースは多いのかもしれません。

ですが、何年来か、お腹を舐め続けている猫ちゃんに、きっかけらしき思い当たりをお聞きしても、良く分からないことがほとんどです。「同居の動物はいないし、引っ越しもしてないし…しいて言えば、お父さんのことが嫌いかも…。」なんて、無理やりお父さんのせいにするのは気の毒ですし。

なかには、食餌を変えたら、すっかりきれいに生えそろう猫ちゃんもいて、「食餌アレルギーだったのね。」ということもありますので、全て、ストレスのせいと片付けてしまってはいけないのでしょうが、一日中、お留守番だったワンちゃんを、たっぷりお散歩させてあげるようにしたら、それだけで、舐めるのが治まってしまうこともあるようですので、やはり、皮膚病とストレスは大きくかかわりあってるんでしょう。

皮膚病の診療をしていると、さしづめペットの心理カウンセラーのようだとおっしゃられていました。実際、ストレスによる舐めこわしとおぼしきケースでは、精神安定剤を使うと治まってしまうことがあるようです。

寒いお庭で番犬してるより、ぬくぬくと、お家の中で、スキンシップたっぷりに暮らせるほうが、きっと、幸せに違いないとばかり、私的には思っていましたが…。案外、番犬暮らしが性に合ってていいと思ってるワンちゃん的には、ストレスだらけですねえ。

「ホントは何がストレスなのか…。」ペット・サイドに立って考えてみると、どうなんでしょうねえ。ホントにホントの気持ちは解りようがないかもしれません。

なかなか、ペットとて、私達に付き合わされて、大変だったのね…。と、心配りのいたらなさを反省させられた勉強会でした。

うちのにゃん達は、どう思ってるんだろう。イヤ、うちのコ達は幸せに違いない!と、思ってますが、案外、不満満載かも。おしゃべりできたら、文句タラタラかもしれません。「早く、トイレ掃除してよ。」「また、このごはん?」「今日のブラッシング、手抜きしてない?」あー、そんなの、ヤダヤダ。解り過ぎるのはつらいかも。

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