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2009年4月10日 (金)

猫のフィラリア感染症

ここ数日、めっきり暖かくなり、桜も満開?は過ぎましたか…、すっかり春気分ですね。先日、今年初めての「蚊」を発見してしまいました。まだ、寝ぼけたように弱々しいですが、いよいよ出てきました。フィラリア予防シーズンの到来です。

日本で、猫のフィラリア予防薬が発売されたのは、約15年前と記憶しています。猫にもフィラリアが感染することは解っていながらも、まだまだ、報告も少ない時代でした。果たして、その感染率からいって、予防の必要性があるものかと、世の獣医さん達の間でも意見は様々でした。予防は不要と主張する根拠は、「だって、診たことないもの。」そう、自信満々で言ってしまえる時代でした。

「診たことない。」と誤解されていた理由としては、猫のフィラリア症は、吐く、咳、えずき等、症状があいまい。毛玉のせい?気管支炎?喘息?ということになってしまっていたのかもしれません。突然死することもありますが、まだまだ、屋内外を自由に行来して暮らす猫ちゃんが多かった時代のことです。「猫は亡くなるときは、外へ出ていく。」なんて、話で済まされてたりしたのかもしれません。

近年、報告が増えた理由としては、猫エイズや猫白血病ウイルスが広く知られるようになり、室内のみでの飼育が理想的だという認識が浸透してきたことで、より密接な暮らしになったことが、軽い症状にも気付き易くなったということもあるでしょうし、獣医さん側の認識度や検査技術の向上もあると思います。

今では、「診たことない。」ことを、自信満々におっしゃる獣医さんはおられないと思います。報告、情報が多くなり、解ってくるにつれ、「診逃している。」のかもしれないと、思わずにはいられないからです。「診たことがない。」のではなく、「診断したことがない。」というのが正しいのです。

それは、何も、診断したことのない獣医さんの技量の問題ではなく、確定的な証拠をつかむのが難しいからなのです。猫のフィラリア感染率は、犬の10~20%ですので、犬のフィラリア症を10症例診る機会があれば、猫のフィラリア症を1例は診ていたはずという計算になります。そんなに、高確率で、猫のフィラリア症を診断する機会は、まず、ありません。

本来は犬の寄生虫であるフィラリアは、猫の体内で生き残る数が少なかったり、十分成熟しないために、通常のフィラリアに反応させる試薬での検査では検出できません。検出できる可能性が高いのは、抗体検査といって、今までにフィラリアと免疫反応を起こしたことがあるかという検査ですが、これも、フィラリアが猫体内に永く寄生できず死んでしまった場合は、検出されないことがあります。それでも、猫へのダメージは1年以上にわたり残ってしまうのです。

先日、開催された猫のフィラリア症のセミナーでのお話ですが、猫の突然死の3分の1が肥大型心筋症、3分の1がフィラリア症、残りの3分の1は、脳腫瘍など他の要因なるデータがでたそうです。恐るべし、フィラリア症です。そして、症状的には、「吐く」というのに注意しなければならないとのこと。「よく吐くんですけど、大丈夫でしょうか?」「猫は吐くの普通ですよね?」本当に、よくお受けする質問です。そのうち、何%がフィラリア症なのか。そんな、データも、今後、公表されてくることでしょう。

よく、「外へは出ないから…。」「家で蚊を見たことがないから…。」ということで、予防は必要ないとお考えの方もいらっしゃいますが、データ上は、室内のみでも屋外へも出る場合でも、感染率に差は無いんだそうです。正直、そのデータには、私自身も半信半疑でしたが、ショッキングなことに、うちのにゃんのアレルギー検査をしたら、「蚊」が陽性に出たのです。私は、自宅で蚊に刺された事なんてないように思うんですが…。アレルギー検査は、今までに接触したことのないものには陽性に出ませんので、間違いなく、うちのにゃんは、蚊に刺されたことがあったのです。確かに、マンションのエントランスでは蚊に刺されたことがあります。そのまま一緒にエレベーターに乗って同伴帰宅することもあるのでしょう。自宅では、むしろ、私達ヒトよりも体温の高い猫達を好んで吸血していたから、私は自宅では蚊に刺されることがなかったのかもしれません。

フィラリア予防は、蚊に刺され始めて1ヶ月以内にスタートします。ここ1ヶ月の間に、感染してしまったかもしれないフィラリアの子虫をまとめて退治します。あらかじめ、感染しないようにする薬ではありません。ですので、「蚊がいなくなってからのもう1回」を最後にしなければ、退治されずに残った子虫が成長してしまいます。このあたりの地域ですと、4月下旬から5月上旬に開始して、12月まで予防するのが標準的です。

*お知らせ

下記の日程は、狂犬病集合注射業務にあたっておりますので、午後の診療時間を変更させていただきます。あらかじめ、ご了承のほど、お願い申し上げます。

4月6日(月)

4月11日(土)

4月17日(金)

午前診  通常通り

午後診  午後5時~7時に変更

*尚、当院は委託獣医師となっておりますので、狂犬病予防注射と登録申請等の手続きが可能です。診療の都合上、予約制となりますので、あらかじめ、ご連絡いただけますようお願いいたします。

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コメント

フィラリアのお話、ホントに怖いですよね~。
うちの巨大兄ちゃん・怖がり姉ちゃん・くねくねシマシマ末っ子、3catとも少し早いかな~?なんて思いつつも先日早々に第一回目のスポットしました。
先月の暖かい日にはもう蚊がいたし。。。
お隣さんにフィラリア持ちの犬さんがいるんですよね~
イヤでも神経質になりますbearing

ドアの開け閉めだけでも同伴帰宅されますからね~。
玄関に虫除けを置く日々がまた続きますcoldsweats01
お兄ちゃんが痩せてスポット1本になったのが救いです!

投稿: ミーニ | 2009年4月17日 (金) 22時30分

フィラリア感染症は、きちんと予防すれば100%大丈夫です。このあたりは、間違いなく、フィラリア流行地域ですので、予防するにこしたことはないですね。お隣のワンちゃんだけの問題でもないので、「こいつ、フィラリア持ってる…」って、冷たくしないでくださいね。むしろ、予防を始めると、フィラリアが不妊症になり、子虫を産まなくなってくるので、感染源にはならなくなります。

投稿: にゃんこ先生 | 2009年4月19日 (日) 19時40分

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