ワクチンアレルギー
先日、実家のワンのワクチン往診に行ってきました。いつもは、私を見て、ちょっとイヤ~な顔をするのに、いつになく、駆け寄って来てピョンピョン飛んだり、しっぽふりふりご機嫌です。「あら、珍しく歓迎モードだけど、残念ながら、今日もイヤなことされるかもよ…。」と、ワクチン注射をチクリ。
食べ物でアレルギーを起こすことがあるのと同じように、薬にアレルギーを起こすことがあります。そして、食べ物の場合と同じように、アレルギーを起こしやすい薬と、起こしにくい薬があります。ワクチンは、アレルギーを起こしやすいものの代表選手です。
2タイプのアレルギー反応があります。ひとつは、即時型アレルギーといわれる、接種後すぐに発症するタイプで、ふらつき、ヨダレや嘔吐、虚脱をおこします。重症だったり、ただちに処置しなければ、死亡に至るほどのショック状態になることもあります。これは、何度、経験しても、本当にドキドキものです。ですが、猫ちゃんでは、めったに起こりませんので、「猫の診療室」になってからは、このドキドキからは解放されています。
ですので、ワンちゃんの場合は、とくに厳重に注意を払います。たいてい、10分以内に発症するので、ワクチン証明書を作ったり、お会計準備をしたり…と、若干わざと時間をかけて接種後10分間は、病院内に居ていただく作戦を、実はひそかに決行してたりします。
もうひとつのタイプは、遅延型アレルギーといわれる、接種してから数十分から数時間してから発症するタイプです。体中に蕁麻疹が出たり、顔が赤くなりむくみます。身体には、毛が生えてるので、蕁麻疹は解りづらいのですが、とにかく、めちゃくちゃ痒くなるので、掻きまくったり、仰向けになって、背中をゴリゴリこすりつけたり。明らかに、オカシクなりますので、すぐ、異変には気付きます。顔がむくむと、ギョッとするほど変な顔になってしまうので、すぐ、解ります。痒いので、パンパンの顔を一生懸命掻こうとするのですが、猫ちゃんのように、器用には顔を掻けないワンちゃんは、こんな時、ちょっと気の毒です。
このタイプのアレルギーが出た猫ちゃんを、2例だけ診たことがありますが、ちょっと、瞼が腫れぼったくなり、耳や目の周りなどの顔中心に痒みがでる程度でした。ワンちゃんでは、数えきれないほどの、症例数を診ていますから、やはり、猫ちゃんのワクチンアレルギーはかなり少ないと思います。
伝染病にかからないためのワクチンですが、心配しなければならない副反応もあります。それを心配するあまり、接種を戸惑うこともあるかもしれません。ですが、ワクチンメーカーが、動物用ワクチンを開発してきたのには、多くの動物達が伝染病で苦しんだ背景があったからです。そして、今なお、一般に発生している伝染病ばかりです。
ワクチン接種せずに、伝染病になるリスクと、接種をして副反応がでるリスクを比べると、その、確率、重症度ともに、「ワクチン接種をしたほうが良い」の大勝利には間違いありません。まだ、予防できない伝染病だってある中、せめて、予防できる病気だけでも予防してあげたいものです。
室内飼いの猫ちゃんは、ワクチン接種の必要がないと勘違いされていらっしゃるケースが多いのですが、空気感染する伝染病の感染リスクは室内でもあります。とくに、高齢になってきたり、他の病気で、抵抗力が落ちた時には、感染する危険性が高まってしまいます。そして、何かのトラブルで動物病院に通院したり、入院しなければならなくなることもあるかもしれません。病院では、感染防止に細心の注意を払ってはいますが、空気感染を防止するのには限界がありますので、そんな機会に伝染病を合併してしまわないよう、あらかじめ、予防しておいてあげるのが安心です。
さて、チクリとワクチン注射された実家のワンちゃんですが。歓迎モードから一転、私の横にお座りして、横目で、私を見上げながら、「ゲッゲッゲッ…」(?!!)食べたばかりのドッグフードをゲロー…。(エー!!もしや、もしや、ワクチンアレルギー!?でも、あまりにも、早過ぎないか?数秒しか経ってないし…。)と、ドキドキ。すると、吐いたフードを、また、「パクパク…」(食べるんかい…。どうやら、アレルギーではないらしい。)その後、とくに問題なかったので、どうやら、喜びすぎ?だったようですね。それとも、いつも、イヤなことする私への嫌がらせでしょうか。確かに、ちょっとドキドキさせられました。
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