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2010年2月

2010年2月 9日 (火)

獣医師国家試験

獣医師になるには、6年制の大学課程を終了して、獣医師国家試験に合格しなければなりません。毎年、3月初めに2日間の日程で行われます。今でも、「国家試験を、4年ごとに受験しなおさなければならないことになった。」などという、ありえない悪夢をみてしまったりして、私を焦りの窮地に追いこもうとする試験です。

国家試験の受験にあたり、大学の先生がおっしゃられたこと。「国家試験は、入試のような選抜試験でなく、認定試験ですから、人と競わなければならないわけでなく、規定のレベルに達していれば大丈夫なのですから、心配はいりません。獣医師国家試験は全体で80%程度の合格率ですから、当たり前に、大学でのプログラムを修得されていれば、大丈夫です。」(ふーん。ん?…ん?それって、受かったらラッキーの選抜試験ではなく、受かって当たり前の認定試験ですよ…って、プレッシャー与えてるってこと!?大丈夫じゃないじゃないかー!!!)と、少々、のん気に構えていた私に、「喝」第一弾がくい込んだわけです。

そうは言っても、5択マークシート方式の試験ですので、それほど心配しなくていいだろうと、それでも、まだ、のん気に構えていた私でしたが、過去の出題問題を解いてみて、愕然。(さすが、プロの作った問題は、ちょっと、違う。)「正しい文章を選びなさい。」とある1問でも、数十項目の内容を解っていなければ、正しい回答を導き出せない仕組みになっています。「重箱の隅をつついたような問題が出るんだ。」と先輩から聞かされてはいましたが、教科書の本文ではなく、欄外に、*がついて小さな文字で書かれている「脚注」から出題されてたりもします。(本気でやんなきゃ、やばいかも!)「喝」第二弾投入されました。

私の人生で、この時ほど、焦ったことは、後にも、先にも無かったろうと思われます。即行、強行スケジュールを立ててとりかかりました。付け焼刃な勉強では駄目だと悟りましたので、全科目の教科書、参考書を、片っぱしから、隅から隅まで、読破しました。覚えなければならない、細菌やウイルス、伝染病の名前などを、表にして、壁に貼り、毎日、呪文のように唱えていました。勉強以外ですることは、寝る、お風呂、トイレ、食事だけの数ヶ月間。切羽詰まると、なんとか、やってのけるもんです。もっとも、もっと、前もって準備しておけば、そんなに焦ることもなかったわけで、強行スケジュールでなくても大丈夫だったはずなんで、これぞ、自業自得というやつなんですが。

そして、何とか、納得できるレベルに準備も整い、いざ、受験ということになりました。獣医師国家試験は、札幌、東京、福岡の3か所に試験会場があり、指定された会場で受験しなければなりません。私は、神奈川県にある大学に在籍しておりましたので、東京会場の早稲田大学での受験でした。毎年の習わしで、学年全員が、受験前日から、会場近くのビジネス・ホテルに泊まり込むことになっています。万が一の交通事情問題や、寝過ごすなんてことのないようにという備えなのですが、最後の最後に、皆でワイワイと、情報交換した中から、かなりの出題がありましたので、最高の復習会でした。そして、どこの大学でもあるそうなんですが、「これが出るらしい。」という、根も葉もない怪情報が流れます。あっという間に、学年全体に伝わる団結力は、素晴らしいものがありました。

かつて、入学試験だろうが、面接だろうが、緊張などしたこともない私でしたが、国家試験初日前日は、緊張と興奮で目が冴えてしまい、どうにも、眠ることができず、朝方まで、ベッドの中で、「眠らなきゃ」と更にあせりながら、寝返りばかりしていて、それは、少々、自分でも意外なことでした。経験したことのない、「受かって当たり前」というプレッシャーでした。

いざ、試験が始まれば、問題なく解答を進めていけましたが、途中、回答欄が一段ずれたまま、回答し続けてたことに気付いてヒヤッとするアクシデントがあったものの、時間の余裕はありましたので、キレイに消して書き直して、更に、何度も見直しをして、無事、1日目、終了。1日目を無事終えた安心感で、2日目は、問題なくクリア。

こんな感じで、おそらく人生最後の大試験を終えましたが、思い出すのもゾッとする、二度と味わいたくないイベントでした。そんなことを、にわかに、思い出したというのは、先日、ある女性とお知り合いになったことからなのです。高校までは日本在住ですが、大学からオーストラリアに渡られ、獣医科大学を卒業して、獣医師国家試験に合格し、数年間勤務医をされてらっしゃったという、スーパー・ウーマンです。もちろん、日本の方です。このたび、日本に帰国されたのですが、もちろん、日本での獣医師国家資格は持っていませんので、そのままでは獣医師としての仕事はできませんから、来年、日本の獣医師国家試験を受験するということです。

オーストラリアで、資格を取ってしまうのもすごいですが、日本で、再び、資格を取りなおすというのは、並大抵のことではないと思います。ある程度の内容は、共通するでしょうが、日本語に変わるわけですし、国家試験の受験科目というは、動物病院での仕事に関係するようなものはごくわずかで、ほとんどが、基礎的な学問なので、私などは、全くと言ってしまえるほど覚えていません。それを、再び、勉強するなんて、私なら、ゾッするを通りこして、あり得ないレベルの話です。応援するしかできませんが、すばらしいことです。

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