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2010年4月

2010年4月29日 (木)

ゆるゆる首輪にご注意

狂犬病予防集合注射のお勤めが終了しました。私などは、まだまだ新米ですが、どんなに長年お勤めされていらっしゃる先生でも、これが無事に済むまでは、気が休まらないのは、同じことのようです。一斉に、多数のワンちゃんが集まりますので、ワンちゃん同士が喧嘩しないだろうか。興奮したワンちゃんに咬まれる人が出ないだろうか。予防注射のアレルギーが出ないだろうか。心配ごとは、たくさんです。

そして、毎年あることですが、ゆる過ぎる首輪をスルッと抜けての逃走です。今年も、数件ありました。幸い、大事には至りませんでしたが、瞬時によぎるのは、「!!!車にひかれたら…!!!」です。

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学生時代にアルバイトさせていただいた動物病院での経験が、忘れられません。ワクチン接種に来院された、シェットランド・シープドッグ。もつれひとつないほどに、手入れが行き届いていて、診察台のうえで、お利口にじっとしている躾の良さから、ご家族の愛情ぶりがうかがえます。問題なくワクチン接種を済ませ、病院を出られて、ほんの数分後。「車にはねられた!!!」と、叫びながら駆けこんで来られたオーナーさんと、大通りに倒れたままのワンちゃんを救助に向かいましたが、もう、すでに息はありませんでした。頭蓋骨骨折していましたので、頭を強く打ったことによる即死だったと思われます。

とくに、この犬種は、首より頭が細いスタイルなので、よほど、しっかり首輪をきつく締めておくか、引くと締まるリードにするか、胴輪をしっかり付けるなどしないと、ゆるゆる首輪では、あっさり抜けてしまいます。

どんな、ワンちゃんでも、自分から、喜んでグイグイと引っ張って歩いているときは、抜けませんが、イヤイヤして後ずさりすると、簡単に抜けてしまうのです。このワンちゃんも、車に乗せようとしたのを嫌がり、首をすくめたせいで抜けてしまったそうです。

この経験から、診察に来られたワンちゃんの首輪チェックは怠らず、「きついのは可愛そう」と、ゆるゆる首輪で来られるワンちゃんに、何度、このお話をしたかしれません。

猫ちゃんでも、案外、首輪のトラブルがあります。どうしても外出する猫ちゃんに、「もしやの時に、うちのこだと解るように。」のための首輪です。可愛い、可愛いものだから、「きついのは可愛そう。」と、なってしまうようですね。

そして、高い所へも飛び乗ったり、飛び降りたりする猫ちゃんのことですから、ゆる過ぎる首輪が、木の枝などにひっかかったりすると、バランスを崩して大怪我だってしかねません。ひっかかったまま、外れないと、首つり事件になってしまいます。

そう、説明して、「ゆる過ぎないよう付けてあげて下さい。」と促すと、時に、「引っ掛かると、ちゃんと外れるようになってる首輪だから大丈夫。」と返ってくる。「それでは、本末転倒、危ないだけで、迷子防止にならないんだから、だったら、首輪は辞めて、インプラントにしたほうが、安全、確実ですよ。」と、返ってくる言葉は想像つくんだけど、一応、正論でアドバイスしてみる。そして、予測通り、返ってくる言葉は、「それは可愛そう。」

解らなくはないお気持ちなんですけどね。猫ちゃんを思うと、ついつい、言葉厳しくなってしまいます。

ゆる過ぎる首輪に、前足を通して身動きとれなくなっていたり、口に猿ぐつわのように挟まってしまう事件もよくあることです。10年ほど前までは、病院処方のノミ取り首輪がよく使われていて、これは、殺虫剤の成分が含まれていましたから、口に挟まったまま、長時間そのままになってしまうと、重篤な薬物中毒や激しい口唇のタダレを起こしてしまいますので、より、注意が必要でした。

近頃では、首輪もすっかりファッショナブルになり、来院される度、首輪が変わる、首輪持ちの猫ちゃんもいらっしゃられます。恐らく、猫ちゃん自身は、意味不明なはずですが、着せ替え人形のように、首輪を付け変えられて、「これも可愛い。」「あれも可愛い。」と皆に可愛がって貰えるのは、それはそれで、ご機嫌なことかもしれません。

ですが、くれぐれも、事故の無いようには、気を付けてあげていただきたいものです。

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2010年4月15日 (木)

免疫抑制剤

名前からして、身体に悪そうな名前の薬です。ですが、非常に重要な働きをしてくれる薬でもあります。

免疫とは、本来、身体を守るために、外界からの侵入物を排除しようとする、生体の正しい反応なのですが、時として、この反応が過剰に起こってしまうせいで、身体に支障をきたしてしまうことがあります。そんな時、この過剰な免疫反応を抑えて、身体を守ってくれるのが、免疫抑制剤です。

臓器移植を可能にしたのは、この薬が開発されたからです。自分のものでない臓器が入ってくると、身体は異物として激しく攻撃してしまいますので、その反応をかなり強固に抑えなければなりません。

免疫が狂ってしまい、誤って自分の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患と呼ばれる病気があります。血液を壊して貧血を起こしてしまう病気や、皮膚を攻撃して、皮膚炎を起こしてしまう病気や、全身あらゆる臓器を攻撃してしまう重症の病気もあります。こういった、病気の治療にはかかせない薬です。

そして、かゆい皮膚病の代表。アトピーの治療にも使われます。ちょっと、不思議に思われるかもしれませんが、アトピーのようなアレルギー反応も、過剰な免疫反応が原因なので、免疫を抑えることで、アトピーの症状を抑えることができます。ですが、たいていの方は、驚かれます。

臓器移植や自己免疫性疾患なら、問題事態が命がけのことですから仕方ないにしても、ただがアトピーの治療に、そんな恐ろしい薬を使うなんて…ということなんでしょう。

もちろん、免疫を抑える薬ですので、副作用だって、それ相当です。抵抗力が低下して、感染症にかかりやすくなったり、肝臓や腎臓に大きな負担があるものもあります。ですが、免疫抑制剤にも、様々な薬がありますし、目的によって使う量も調整するものです。

臓器移植では、かなり効果の高いものを、高用量で使用します。自己免疫疾患では、その程度により、中~高用量で使用しますが、アトピーで使用する量というのは、非常に少ない量です。その量で、名前の通りに免疫が抑制されることはありません。反応が鈍くなるだけです。肝臓や腎臓の負担も、それほど心配なく使えるものもあります。

アトピーの症状を抑えるにのに、広く使われている薬は、副腎皮質ホルモン剤=俗にステロイドと呼ばれる薬です。効果は非常に良いのですが、生涯、「治る」ことなく付き合っていかなければならないことですので、その副作用も心配です。肝臓障害、糖尿病、医原性副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が、副腎皮質ホルモン剤の長期投与による代表的なトラブルです。

このことを、考えると、免疫抑制剤を使ってコントロールできたほうが、ずっと、安心なわけです。ただ、副腎皮質ホルモン剤ほどの即効力はなく、効果が安定するのに1ヶ月ほどかかりますので、初めは、副腎皮質ホルモン剤と併用しながら、だんだん切り替えていくようにしなければなりません。

もうひとつ。問題なこととすれば、ヒジョーに、ヒジョーに高価なことです。猫ちゃんでも、1回の薬代は、お父さんのお昼ご飯より高いと思います。これが、大型犬になると、1回の薬代は、お父さんが1杯呑んで帰るより高いはずです。知り合いの獣医さんが、この薬を大型犬に処方すると、請求金額を申し上げるのに、ドキドキしてしまうと言っておりました。私は、猫ちゃんに処方するのでも、ドキドキします。

それこそ、うちの娘猫も、アレルギー持ちのにゃんこですが、これまで、副作用の少ない抗ヒスタミン剤で緩和させておりましたが、いよいよ重症になり、全身、掻きたおしてキズだらけ。あまりの悲惨な姿に、「あらぁ…。アナタどこのコ?」と、思わずため息。エリザベスカラーを付けられ、娘猫も、悲しそうに私を見上げてため息。

最後の手段かなと、この免疫抑制剤の投与開始。効果が安定するのに、1ヶ月かかるとされているはずですが、1週間目で効果歴然。2週間目には、エリザベスカラーを外せる程度になり、1ヶ月目でほぼ美しい姿に。今は、1日おきの投与に減らして様子をみています。

痒いのと、エリザベスカラーから解放され、超ご機嫌ですが、飲みづらい大きめのカプセルをグイッと飲ませる役の私は、彼女の天敵と化したらしく、どうも、警戒して、私を遠巻きに行動しているようです。

感謝しろとは言いませんが、ちょっと、寂しいものがあります。

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2010年4月12日 (月)

診療時間変更のお知らせ

下記日程が、狂犬病予防集合注射の担当になっているため、午後の診療時間を午後5:00からに変更させていただきます。

4月12日(月)

4月15日(木)

4月20日(火)

なお、院内の掲示および、メール案内で、13日(火)でお伝えした日程が、12日(月)に変更になりました。お詫びして、訂正申し上げます。

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