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2010年9月

2010年9月24日 (金)

常盤動物病院*ドッグランのある病院

P9190382 以前の勤務先動物病院で大変お世話になった先生が、この度、郷里近くの伊丹市で開院されました。常盤(トキワ)動物病院だそうですが、院長先生は山根先生とおっしゃいますし、住所は伊丹市池尻…で、最寄りの駅などにも「常盤」は見当たらず。どうでもいいことですが、病院名の由来は謎です。「常盤動物病院」でインターネット検索すると、わんさか全国の常盤動物病院やら常盤病院が検索されてきて、世の中の「常盤」多さにびっくりでした。

P9190384どんな病院だろうと、ワクワクしながらお邪魔させていただきました。開院準備をしている最中は、看板はどんなにするか、内装のレイアウトは、家具は?等々、思考、工夫を凝らして考え抜いたつもりでも、使い勝手の良し悪しが色々と出てくるもの。他の病院では、どんな工夫があるのかなど、その苦労が解るだけに、興味心いっぱいです。

大きな通り(県道42号線)沿いに、これまたでっかい看板がそびえたつ病院です。大きなお店が立ち並ぶ中、パッと眼に入ります。しかも、ピンク!当院とピンクつながりです。ピンクの理由に当院は関係あるはずもありませんが、ちょっと、嬉しかったりします。駐車場も12台分とゆったりですし、側道からも出入りできるののは、なかなかありがたい立地。 P9190383_2

そして、なんと、「ドッグラン」があります。駐車場が広いので、その一角に設置されたものですが、安全な二重扉になっていますので安心です。待ち時間にちょっと、ノビノビひと遊びできると、病院好きになってくれるかもしれません。ワンちゃん同士で遊ぶのも、大切な社会勉強ですから、ワンちゃんと仲良くするお勉強ができる機会がもてるのも、一石二鳥ですね。

P9190378立派な建物なので、前身は何屋さんだったのか気になりましたが、今のGoogle地図では、まだ、中古ゴルフ用品店になっているようですね。面影なく、すっかり動物病院です。大きな窓のある待合室は、開放的で明るくって、真っ赤なチェアーがおしゃれです。大型犬の診察を考慮していますので、当院よりは広めの診察室です。

眼をひいたのは、「画像システム」です。病状の経過を記録しておいて、見直したり、眼の中、耳の中の画像をモニターに映し出して見せてもらえたりもする優れものです。M・ダックスさんの遺伝性疾患である網膜委縮の診断には眼底検査が必須ですが、そんなケースでも、通常は検査しているヒトにしか見えないものを、オーナーさんにも見てもらえるのは、まさに、「百聞は一見に如かず」で、理想的ですよね。

そして、もうひとつのお楽しみ。「ごはんちゃん」に会えること。我が家のアメリカンショートヘアー虫太郎の、異父兄弟(?)のお兄さん猫です。入院ケージの中でダラ~とくつろぎ、ふてぶてしい視線で見上げる仕草やら、眼つき、顔つき…、ホントッに虫太郎とそっくりです。苦笑してしまいました。

入院室は、各種ワンちゃんのサイズに合わせて、大、中、のケージと、小型犬、猫ちゃん用小ケージ。それ以外に、超大型犬用のVIPルームもあります。ケージではなく、塀で仕切られて、入口が檻になっている入院室なので、悪いことしたヒトが入ってなきゃいけないお部屋みたいなんですが、それはあんまりなんで、「VIPルーム」と名付けておりました。グレート・デンやセントバーナードでも余裕の広さです。ワンちゃんは、サイズが色々で大変なんですよね。

そんなこんなで、病院見物やら、尽きぬ話に楽しく過ごさせていただいた病院見物ツアーでした。私にとっては、頼りになる大先生が少し遠くへ行かれてしまって、少々、残念なんですが、新天地で大いに手腕を発揮される期待もマンマンですし、近隣の方々にとっては、とてもとても心強いサポーターになってくださることでしょう。何かの折には、ご相談なさってみてください。

Farzen_hs9314私が開院した際に、元同僚や友人から時計の贈り物をいくつかいただきました。いくつあってもいいだろうし…と、言って、選んでくださったようですが、日々の診療中、ふと、時間が気になり時計を見上げる度に、何となく皆の気持ちをありがたく感じていいものです。で、私も、時計をお贈りしたいと思って、探しに探したベストセレクション時計、犬バージョンと猫バージョンをお贈りすることにしました。自分でも欲しいくらい気に入った2品です。

Farzen_hs9313

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2010年9月15日 (水)

我が家のアレルギー対策大成功

我が家のお嬢猫は、アレルギー持ちのにゃんです。アレルギー検査で、蚊とノミに反応が出ていましたので、ホンマもんのアレルギーです。数種のハウスダストには反応無しの結果でしたが、交差反応といって、似たものには反応を示すことがあるので、蚊、ノミと、昆虫ばかり反応しているということは、検査項目にはないハウスダスト、その他、昆虫類がアレルゲンの可能性だって大アリです。

本来、こんな場合の対策は、いかにアレルゲンを減らすかです。カーペットや畳をフローリングに変える。まめに、掃除をする。空気清浄機などで、舞っているアレルゲンを除去する。シャンプーをして、身体に付着したアレルゲンを洗い流す。それでも、どんなに尽力しても、ゼロになるものではありませんが、できるだけ症状が軽減されるよう、頑張ってみて下さいとお話するのがお決まりです。それでも、ムリなレベルを薬でコントロールしていきましょう…が基本なのです。

と、診察中は申し上げていながら、旧我が家の環境は、まるでなっていませんでした。でも、でも…と、言い訳をさせていただきますと、ちょっと内緒の話、ペット飼育不可の賃貸マンションをお借りしておりました事情上、足音が聞こえないよう、全室および廊下の隅々までカーペットを敷いておりました。畳をひっかいてはいけないので、畳の上にもカーペットという、間違いなくアレルゲンの宝庫になりそうな環境。我が家の掃除担当者(ダンナ)が、奮発して「吸引力の変わらない」が自慢のダイソン社製掃除機を購入してきましたが、なかなか、腕をふるってもらえる時間も限られておりますゆえ…。と、まあ、言いわけはそんなとこでして。

幸い…いや、今思えば幸いなんて言っちゃあ気の毒だったんですが…、免疫抑制剤で上手くコントロールされ、痒みからは解放されておりましたが、次の住まいに移るにあたっては、この環境を改善せねばと、常々考えておりました。そして、この度、転居するにあたり、室内は完璧アレルギーっこ対策を実行。全室フローリング。寝室は猫立ち入り禁止。壁面に空気清浄機設置。そして、掃除担当はルンバくんに一任。

ルンバくん。TVの通販なんかで、見たことあると思います。丸い掃除機で、勝手に室内を掃除してくれて、充電が切れそうになると、充電スペースに自分で戻って行くヤツです。文明の力はスゴイですね。旧我が家の掃除担当者より、よっぽど隅々まで、きっちり掃除してくれます。猫どもが怖がらないか、いたずらしないかが気がかりでしたが、慣れてしまえば大丈夫そうです。初めは、ちょっと驚いて、横っ跳びのお嬢にゃん。虫太郎は、ルンバくんから出てるクルクル回りながらそうじするハケを捕まえようと、ちょっかい出していましたが、今や、見あきたのか、ルンバくんがやってくると、サラッとよけて知らんぷりです。

そして、問題のアレルギーの容態です。治るものではありませんので、投薬間隔を延ばせればいいなくらいの期待度でしたし、転居当初は投薬を減らすと喘息の咳をしたり、耳が痒くなったりしていましたので、やっぱりダメかあ…と、少々がっかりしておりましたら、少しずつ症状が弱まり、とうとう、ここ3週間は休薬したままですが、それでも落ち着いています。びっくりです。

かつてに、アレルギーに悩むワンちゃん、猫ちゃんで、リフォームまでしてフローリングにされたケースも、数例、診てきましたが、それで、すっかりとまで良くなるケースは、なかなかありません。アレルギーの閾値の問題でしょうから、重症度が高ければ、環境の改善だけでは追いつかないということになります。

とすると、案外、うちのアレルギーにゃんは、重症だったんでなくって、環境が極悪だったからひどかったということになりますでしょうか。という話を、皮膚科診療に精通していて、うちのアレルギーにゃんの治療についても相談させていただいた先生にさしあげたら、爆笑かつ感心されてらっしゃいました。「どんなに掃除しても、多少のハウスダストはいるもの。仕方無いんです。」とお話してたのに、そうとも限らへんのか…、と。皮膚科診療の常識をくつがえすケースのようです。

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2010年9月 7日 (火)

超音波検査

獣医療に、超音波検査が参入され始めたのは、おそらく、二十数年前のことでしょう。その頃は、超音波検査装置を持っている動物病院は限られていましたが、今や、診療にかかせない標準装備的な存在になりました。

レントゲン検査では解らない液体と固体の区別が容易にできますし、レントゲンに写らない成分の結石も解ります。レントゲン検査と超音波検査の組み合わせで、内臓の様子をより立体的にイメージすることができますし、断面状に観察できるので、内臓の中にできた「しこり」の発見にはかかせません。

心臓の検査にもかかせないツールです。レントゲン検査では、心臓の大きさ、形は解っても、その内部に関しては、真っ白く写るだけで、何も解りません。超音波検査では、心臓内部の多くの情報が得られます。4つに分かれた各部屋の大きさの評価。各部屋を分ける壁(筋肉)の厚みは正常なのか、穴が無いかどうか。血液の逆流を防ぐ弁の閉まりに問題がないか。閉まりに問題がある場合に、どのくらいの逆流が生じているかを計測するなどなど。

心臓の中に腫瘍を発見することもありますし、フィラリア症では心臓内を行き来する虫だって見えるんです。猫では、フィラリアが心臓に寄生する完全な成虫にまで成長することが稀で、かつ、猫の小さな心臓では、1匹でもフィラリア成虫が入ってしまうと、突然死を起こしてしまうことがほとんどなので、まず…と言ってよいほど、私達獣医師が診る機会は少ないのです。が、いつだったか、当院にほど近い病院の先生が「猫のフィラリアを見た!」と興奮気味に報告してくれたことがあります。

私自身も、腹部の超音波検査を受けたことはありますが、ベッドに横たわり、技師さんに、「仰向けになってください。」「横向きになってください。」「はい、息を吸って。はい。止めて、そのまま。」なんて、言われるがままに、「まな板の上の鯉」状態になってました。「人間はいいなあ…。」って思いながら。小さなお子さんならそうもいかないんでしょうが、それでも、少々、暴れたってしれてますし、咬みついたり、引っ掻いたりしませんからね。

動物の超音波検査には、人間を診るのとは異なったテクニックが必要になります。仰向けになることすら、パニックになってしまうコもいます。それを、なんとか、診せてもらえるように保定するのもテクニックです。人間なら、少々強く押しあてても我慢するでしょうが、動物は間違いなく嫌がります。嫌がらないように、かつ、良く診えるようなタッチで押しあてるテクニックが必要です。息を止めてなんてくれません。緊張して、止まらないハアハアの中、検査せねばならないこともあります。診たいところが、画面から出たり入ったりと揺れる中での観察です。緊張のあまり、仰向けのまま放尿、脱糞…なんて、ありがちなこと。私達、獣医師にとっては、普通のことですが、人間の技師さんからしたら、ありえない光景に違いありません。

以前、アメリカで画像診断の専門医として仕事をされていた、スペシャリスト中のスペシャリスト先生から、超音波検査の指導を受けさせていただいたことがありますが、彼の手はまさしく「マジックハンド」でした。お腹の中を診るのには、「みぞうち」からスタートさせて、内臓を右回りの順に観察していきます。動きは無駄なくスムーズ、美しい画像。貴重な勉強でした。

先日、心臓超音波検査の勉強会がありました。講師の先生は、以前は獣医科大学で仕事をされていらっしゃいましたが、数年前に大阪で心臓専門病院を開院された心臓のスペシャリスト先生です。実際に超音波検査をされる様子をみせていただきましたが、先生の手にかかると、まさしく、心臓を手にとって診ているかのような感じがします。

なかなか、スペシャリスト先生方の域に達するのは、厳しいですが、より、役立つ診療ができるように、もっともっと精進して、テクニックを磨かねば!とこころさせられた勉強会でした。

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