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2010年10月

2010年10月22日 (金)

臨時休診のお知らせ

10月23日(土)は、研究会出席のため、臨時休診とさせていただきます。

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

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2010年10月21日 (木)

ちょっとした、おっぱいの話

「へえー。猫にも、オヘソがあるんだぁー。」「へえー。猫にも、おっぱいあるんだぁー。」

こちらも、「へえー。」です。私達からすれば当たり前のことなんですが、確かに、普通のヒトの日常生活の中では、あまり、気に留める機会のあることではないかもしれません。

「だって、お母さん猫のお腹の中では、へその緒から栄養もらってて、産まれてからは、お母さん猫におっぱいもらって育つでしょ。」と説明すると、「あぁ…そーですよねー!!」って、私達ヒトと同じ哺乳類なことを思い出していただけるのですが。

「でも、このこ♂なのに、おっぱいあるんですか?」…5%くらいの確立で、このセリフが返ってくる。「男のヒトにも、おっぱいあるでしょ。」…「(笑)あぁー!そーですよねー!!」

このセリフ。一般の方ならまだしも、学生時代に同級生の男子から聞いたことがあります。私の相棒だった、♂猫の雲地(ウンチ)くんが仔猫だった頃、「わぁー。可愛い!一日借して。」と雲地くんをお泊り保育に連れ帰った同級生男子。(変な話ですが、獣医大生はちょっと変なんです。)翌日、真剣な表情で私に報告したことは、「俺、コイツ、♀じゃないかと思うんだけど…。だって、おっぱいがあるよ。」

「あんただって、あるでしょ。おっぱい…。」と、呆れた私の返答に、「ほおー。なるほど。」と、世紀の大発見のように感心していた同級生男子でしたが、今や、レッキとした動物病院の院長先生におなりで、そんなことも、懐かしい笑い話です。

さて、このおっぱいですが、人間は1対2個。常識すぎる常識です。たくさんあったら不気味です。では、動物は?

犬5対10個、猫4対8個、ウサギ4対8個、ハムスター7対14個、モルモット1対2個、ドブネズミ6対12個、ハツカネズミ5対10個、猿1対2個、牛2対4個、ヤギ1対2個、羊1対2個、豚7対14個。なかなかのバリエーションです。

それぞれの動物が出産する仔の数に見合った、おっぱいの数というわけなんでしょうね。動物の体の仕組みは、うまくできたものです。

豚では、生産性を高めるために、多産系の品種が改良されています。ただ、おっぱいの数に見合わぬ仔豚を育てるのでは、いい豚に育ちません。で、おっぱい数の多い豚を改良。しかし、泌乳する母豚の負担にも限界がありますから、うまくいく折り合いのつけどころというのも養豚界の課題であるようです。スゴイことです。おっぱいの数まで遺伝子操作の時代です。

一応のおっぱい数は決まっていますが、なかには数が足りなかったり、副乳頭といって、オマケのような乳頭が隣にもう1つあったりもします。普通、あまり、しげしげとおっぱいを観察することもないかもしれませんが、猫様が許してくれそうなら、一度、お試しください。一番上のおっぱいは、意外と上の方…ほとんど脇の下にあるのにも、驚かれるかもしれません。

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2010年10月15日 (金)

男の子・女の子

♂♀の区別は、基本的には外陰部の様相で判断します。♂にはペニスと睾丸があって…という大筋は動物種が異なっても同じですが、形態が少々ことなるものもあります。獣医さんの教科書にはそんなことも載っているのです。ですが、それもメジャーな家畜、ペットについてのことです。

そこで、獣医さん的関心事としては、動物園に行くと、どうしても確認してみたくなるんですよね。檻の中をウロウロ歩く動物と一緒にウロウロしながら、後ろから覗き込んでみたり、下から覗き込んでみたり。動物園に行かれる機会がありましたら、ぜひ、♂トラのペニス・睾丸をチェックしてみてください。猫と全く同じです。手も爪も、歯の並びだって同じです。しかも、そのサイズのダイナミックなこと!尾を高く上げて、尿を噴きつけるスプレー行動だって同じです。猫科なのは解っていますが、妙に感動してしまいました。もっとも、こんな怪しい素行をして、こんなことに感動している獣医さんは私だけかもしれませんが。補足ですが、猫科の動物園動物には、猫用の3種混合ワクチンを接種するそうです。やっぱり、ネコなんです。

「♂♀が解らない。」というのは、良くある質問です。「♂です。(ないしは♀です。)」という自己申告がハズレのこともあります。犬を飼った事があるけど、猫は初めてという方だと、猫の♂も犬のように腹側にペニスが付いてるものと思ってしまいがちです。ペニスがないから♀と信じ、乙女チックなお名前をつけて、ラブラブ気分でスリスリし合ってたお兄さんが、「♂です。」と聞かされ、「ゲー!!お前、男かよっ!!」なんてことも。案外、安易に、「にゃー子」が「にゃー太」になったり、「ももちゃん」が「もも太郎」になるだけのこともありますが。

ウサギは繁殖期に入らないと、睾丸が降りてこないので、小さい頃の♂♀判断はしづらいものがあります。ペニスか、そうでないか…しかありません。以前、まだまだ小さな仔ウサギの♂♀の区別を尋ねられたとき、明らかにペニスとわかったので、「♂です!」と自信を持ってお答えしたら、一緒に来られていたお嬢ちゃんに大泣きされてしまったことがありました。「ミミちゃん」を妹のように可愛がっていたんでしょうね。「あ…いや…。まだ、小さいから…解らないなあ…女の子かなあ…。」なんて、慌てて言ってみたって、ダメですよね。お母さんは大笑いでしたけど、(大泣きされるくらいなら、こっそり聞いてよっ。)って、せっかく自信満々でお答えしたのにガッカリでした。

先日、まだ来院したことのない同居猫ちゃんの不妊手術のことで相談を受けました。♂ですか?♀ですか?とお尋ねすると、解らないというお答え。しかし、今までに何匹もの猫ちゃんをお飼いの方なのに、珍しい方です。そして、「♂だと思う。」と主張。理由は、やんちゃだし、ブサイクだから。「顔は関係無いので、他の猫ちゃんと、陰部を見くらべてみたら…。」と提案しても、「あんな、ぶっさいくな♀はいてへん。」とおっしゃいますし。でも、身体をくねらせて、スリスリしながら、鳴き叫ぶ…という様子は、おそらく♀の発情。「♀じゃないでしょうか…。」という私の主張と、「あんな、ぶっさいくな♀はありえへん。」というオーナーさんの主張は、かみあうことなし。診てみてのお楽しみということになりました。そんなに、ぶっさいくな猫って、どんななんでしょう…。

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2010年10月 5日 (火)

トイレできばる猫

「何度もトイレで、しぶっては、ドロドロの下痢をしてます。」さあて、ほんとに下痢でしょうか?ここが、獣医さんの腕の見せどころ。

こんなケースで考えなければならないことは4通り。①本当に下痢。何度もしぶっての下痢は大腸炎の症状です。②便秘。なんと、間逆です。大きな便が出ないために、いきむと便の周りのドロドロだけがでてくるのです。③尿閉。尿道結石などで尿が出なくなった時にも、尿をだそうといきむ度に便がでていくので、最後には、ドロドロの便しか出てこなくなります。④膀胱炎。激しい頻尿や残尿感があると、尿意でいきむたびに、便まででてしまって、同じく最後にはドロドロの便しか出てこなくなります。

その区別は、獣医さんにとってはさほど難しいことではありません。触診すれば、たいてい察しがつきます。①本当に下痢ならば、便は全く残っていません。たいてい、しぶるたびに尿も出てしまいますので、尿もあまり溜まっていないことが多いです。②便秘なら、ゴツンと巨大な硬い便が触れます。お腹の中が、岩のような便だらけ。やはり、いきむたびに尿はでてしまい、あまり溜まっていないことが多いです。③尿閉なら、カンカンに張った大きな膀胱が触れます。④激しい頻尿を伴う膀胱炎なら、尿が溜まらないうちから尿意をもよおすので、膀胱はいつも空っぽです。③④なら、便は、残っていても普通の大きさの便で、巨大ではありません。

でも、こんなこともありました。「便が出ないようです。尿も出なくなりました。」診察台の上でも、しきりにいきんでは、ドロドロの便だけが出ています。確かに便秘だろうと思われます。(でも、尿はでてるんじゃあ…。どうせ、いきむたびに出てしまってるんでしょ。)と思いつつ、触診をすると、想定通り、巨大な便の塊がゴロゴロ…、で、カンカンに張った膀胱にも触れます。(ウーン。確かに、オシッコ出てない?)?????

便秘?は間違いないでしょう。でも、尿閉?だってあるのかもしれないです。しかも、尿閉の方が緊急事態です。まず、尿閉でないかの確認をすることにしました。ペニスの先から、カテーテルという細いチューブを膀胱の方へ押し進めて行きます。尿閉があれば、途中から入らなくなるのですが、この猫ちゃんはスムーズに入り、カテーテルから尿を出すことが出来ました。猫ちゃんもひとまず、ほっと安堵の表情です。

レントゲンを診てみると、巨大な便が膀胱の付け根を抑え込んで、出口をふさいでしまうようになってしまっていたようです。恐るべし巨大なウンコ!です。とにかく、便を出さねばなりません。便を緩める浣腸剤を使って、少しづつ硬くなった便をほぐし、こなして、掻きだし、押し出し…で、なんとか、詰りに詰った巨大な便の数々を排泄させてお帰りに。丸一日、眠ることもできず、トイレできばり続け、病院では、お腹をギュウギュウされまくり、ヘトヘト、フラフラだったことでしょう。

さすがに、その日は食べる気にもなれなかったようですが、翌日には、食欲を取り戻し始め、すっかり、ご機嫌になってくれたので、ほっと安心しましたが、本当の問題はこれから。便秘の素質は一生もの。今後、こんな風になってしまわないように、これ以上、悪化しないように、なにがしの管理して、油断すると巨大になってしまうウンコさんとうまくお付き合いしていかなければなりません。

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