« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2013年1月

2013年1月22日 (火)

犬vs猫!どちらが賢い?

先日、ロシアンブルー?と思われる成猫ちゃんを保護された方が来院されました。とても人懐こくって、ついてきてしまったそうです。

以前、ワンちゃんは飼われていたそうですが、猫ちゃんは全く初めてで、♂か♀かも解らなくて届出ようもなくって、、、とのこと。

初めての猫ちゃん同居に、戸惑うことばかりらしいのです。「先生、猫って、タンスの上に乗るんですか!?」「先生、こないだ、テーブルの上に乗ってたんです!それで、叱ったのに、また、乗ってたんです!」

「そりゃ、そうでしょう。。。」と、思わず笑ってしまいましたが、確かに、ワンちゃんはタンスの上には乗れないでしょうし、テーブルに乗らないように躾けることもできるでしょう。

でも、猫ちゃんは、テーブルに乗ったことを叱られたら、『叱られること』なのだと理解はしますので、見られてたら乗らないでしょうけど、見てなきゃ乗っちゃいますよね。「ワンちゃんのように、乗らないように躾けるのは無理ですよ。」ってお話したら、ヒドく驚かれてました。

そういえば、実家の愛犬ルナちゃん。我が家では、食事中の無駄吠えをしなくなってお帰りになりましたが、どうせ、実家に帰ったら吠えてるんだろうなあ。。。とばかり思ってました。のですが、しばらくして母からお礼のメール。「ルナが食事中に鳴かなくなりました。躾をしてくれてありがとう。」

なんか、プチ感動。ちょっと、切なくなりました。甘やかされたり、叱られたり。可愛そうに、混乱しながらも、私の言いつけを健気に守ってるなんて、なんて賢いこなんでしょう。この賢さが、ワンちゃんのたまらない可愛さ、愛しさですね。

健気に賢いワンちゃんと、ズル賢い猫ちゃんと、ホントはどちらが賢いんでしょう。

|

2013年1月16日 (水)

ルナちゃんのお泊り

先週1週間。実家の愛犬ルナちゃんがお泊りにきていました。母が旅行で家をあけるのに、脊柱管狭窄症で歩くのが辛い父では、世話がままならないとのことで、頼まれた次第です。

ルナちゃんが母に保護され我が家のこになって、もうすぐ丸15年になります。初めは、大人しくて、人の表情を心配げに見上げてションボリしているこでしたが、我が家に慣れてからは、元気いっぱい、「お手」「お代わり」「伏せ」「お座り」を自慢げにこなし、投げてもらったぬいぐるみを持ってくるのが大好きで、「投げてくれ」とおねだりしに来たものでした。

久々のルナちゃんとの同居。楽しみではあるのですが、母が定年退職してからは、母にベッタリでワガママ放題ですので、心臓病を持つ老犬なゆえ、体調を崩さずに過ごせるかが気重でもあります。病犬の面倒を診るのは本業なはずなんですけど、はずなだけに言い訳もできないわけで。

さて、ルナちゃんお泊り1日目。以前はなかったことですが、私が食事をしていると、横で鳴き叫び続けるルナちゃん。さては、母が食事中にあれこれと与えているに違いありません。ここでは、そんな要望を叶えるわけにはまいりませんので、ガン無視です。ところが、ルナちゃんも負けじと、自分のフードをガンとして食べようとしません。よく、母が、「あんまり食べないの。」と言ってましたが、そりゃあ、美味しいものばかり与えてたら、ドッグフードなんぞ食べないはずです。

心臓と肝臓の薬を服用しなければならないルナちゃん。薬の袋をゴソゴソやってると、飛んできます。(さては、美味しいものに紛らせて投薬してるのか。。。)残念ながら、うちでは、ガバッと口を開けられて、ポンッと投薬。ルナちゃん、またまたご馳走GETならず。

近頃、熱心に歯磨きをしている母が、歯ブラシまで持参。「歯磨きしましょう。」と啓蒙する立場的には、おさぼりするわけにはまいりませぬ。以前は、私の膝の上に仰向けに寝っ転がって歯磨きされるお利口さんでしたが、、、さあて、お利口にできるんでしょうか。以前ほどお利口さんではないけれど、意外と、観念して歯磨きされてます。(さては、歯磨きの後、ご褒美もらってるな。。。)

可哀想だけど、うちでのご褒美は、「ルナちゃん、お利口さん!」の褒めちぎりのみ。褒められたって、ちっとも喜ばないルナちゃん。「お手」も「お座り」も、ノーリアクション。かなり耳が遠くなってるので、聞こえないんだか、聞こえないフリしてるんだか、何だか寂しいもんです。

次の日もまた、食事中に鳴き叫び、もらえないとなると、挙句の果てに私の膝に駆け上る勢いで欲しがるものですから、ガン無視できるレベルを越えた私に、「コラッ!」と喝を入れられて、ルナちゃんびっくり。ションボリ、ションボリ。

食事中に鳴き叫ばなくなり、ドッグフードを完食するお利口さんになってお帰りになりましたが、ルナちゃんにとっては可哀想なお泊りでした。まったくもって、我が母ながら、お恥ずかしい限り。可愛がり方を間違えないでほしいもんです。でも、まあ、ルナちゃんもすでに高齢ですし、母にとっては、間違いながらもルナちゃんを可愛がるのが、心のよりどころなようですから、もうワガママ放題でも良しとするしかないかなとも思います。

ですが、誤った可愛がりは、結局は動物が不幸になること。病気の診療ばかりでなく、お世話の仕方、しつけなどの指導も、大切な任務だと痛感です。

|

2013年1月11日 (金)

全身麻酔の話

人に比べると、動物の場合、どうしたって全身麻酔をしなければ行えないことが多いので、動物病院では頻繁に全身麻酔をかけての手術、処置、検査が行われています。ですので、いかに安全に全身麻酔を管理するかということは、かつてから探究され続けてきたことであり、飛躍的に進歩した分野でもあり、私達獣医師にとっては、常に大きな関心事であります。

先日、麻酔についてのセミナーに参加しました。講師は、大学病院で麻酔医として勤務されている女性獣医師です。大学病院ともなると、かなりリスクの高い症例を全身麻酔する機会も多いので、麻酔専任の獣医師が、綿密な麻酔計画を立てて、麻酔中の管理に当たっています。

どんな、麻酔のセミナーに参加しても、まず、おっしゃることは、「安全な麻酔などない」ということです。麻酔をするということ自体が、身体のメカニズムを麻痺させ狂わすものなのですからごもっともです。それを前提に、いかに、事故なく、望ましくない反応が生じることなく管理する術を学ぶのです。

なるほど。と思ったことは、「使い慣れた麻酔が最も安全なのです。」というお言葉。確かに、どうしても、今までに使用経験の多い麻酔薬や方法を変更するのは、気が重いのです。もちろん、より良い薬剤が世に出てきたり、 セミナーなどで良さそうだと確信した方法はドンドン取り入れていきますが、メリットに大差がないのであれば現行のままでいくのが、気楽なのです。

講師の先生が、使い慣れた麻酔が最も安全だとする所以としておっしゃったことは、「いつもと違うぞ!何かおかしいぞ!という、好ましくない反応が出た場合に、ピン!とくるから。」ということでした。全身麻酔中は、好ましくない反応を監視するために、心電図、血圧計、呼吸モニター、体温計、酸素飽和度、呼気中炭酸ガスなどなどたくさんのモニター機器を装着しています。ですが、恐らく、使い慣れた麻酔なら、これらのデータが異常を示すより、獣医師の「ピン!」の方が早いに違いありません。「なるほど~。」と感心のお言葉でした。

ですが、使い慣れた麻酔が最も安全だという理屈がまかり通るとしても、その目的や症例のリスクによって、より、ふさわしい麻酔内容を計画しなければなりません。手術をするのなら、鎮静・催眠効果だけでなく鎮痛効果が重要になります。CT検査や簡単な処置をするためなら鎮痛効果は無くても良いわけです。肝臓疾患があるなら、肝臓に負担の少ない薬剤を選ぶとか、腎臓疾患があるなら、排泄が悪い分、量を減らして投与したり、麻酔前後の輸液を十二分に行うなどの対処を計画します。

というわけで、一言で全身麻酔と言っても、いくつかの異なる作用、目的の薬剤を組み合わせて行われるのです。麻酔前に投与する鎮静剤は、安静化させて酸素吸入などの処置を容易にするとともに、麻酔量を減らすことができます。麻酔に伴う心機能低下に備えて、強心剤を使用することもあります。痛みが予想される場合は鎮痛剤も投与します。意識が無くても、身体は痛みに反応し、良からぬことを起こしますので重要です。長時間の深い全身麻酔が必要な場合は、いったん短時間効く注射麻酔を投与しておいて、気管内にチューブを挿入して、そこからガス麻酔を吸わせる方法をとります。

なかなか、猫ちゃん・ワンちゃん、はたまたご家族が、全身麻酔をかけられる場面に立ち会うことも少ないでしょうし、自分が全身麻酔をかけられる時は、途中で眠ってしまうわけですし、どんなことが行われているのかは未知な方々が多いことと思います。ドラマのように、麻酔薬を染み込ませたハンカチで口をふさいだら、コテッと眠ってしまったりはしませんし、簡単に注射1本で済ませるものでもありません。多くの知識、多くのデータ、敏感な五感。いろんな「大変」が詰まった、結構な大仕事なのです。

|

« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »