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2013年2月

2013年2月16日 (土)

動物愛護法違反等で保護された犬の飼い主募集について

日々、新しいニュースが舞い込む昨今、近頃、話題にもならなくなりましたが、昨年11月に、悪質なブリーダーから161頭もの悲惨な状態の犬が保護収容された事件のこと。動物好きな皆様の記憶には、残ってらっしゃることと思います。

本来の決まり通りに事を進めるならば、一定期間の拘留の後、全頭殺処分という結末になるのでしょうが、お役所さんと言えど、「人」なんですね。何でも「決まり通り」という訳でなく、大阪府獣医師会の援助を借り、治療を行った上で飼い主さんを探すことになりました。

大阪府獣医師会の援助と言っても、獣医師会に保護施設があるわけでもありませんので、所属している獣医さん達からボランティアを募り、各個人病院さんでの保護、治療をしてもらうことになりました。もちろん、大阪府や獣医師会から治療費の援助もありません。

それでも、95病院もが名乗りをあげたとのこと。ですが、この大仕事の裏には、大阪府獣医師会担当役員の先生の偉大な働きありきです。いつも、何かと公のお仕事を請け負われて、ご自身の病院は大丈夫なんだろうかと心配になるほど、東奔西走されてらっしゃる先生です。この先生が「頼む」と言えばこそ、協力倍増だったはずです。当院は、「ワンちゃんの鳴き声を怖がるから。。。」とおっしゃって来院される患者様も多いので、保護犬を受け入れるわけにもいかず、心苦しいばかりでした。

受け入れられた先生にお聞きするに、ガリガリに痩せて、皮膚病とあまりもの栄養不良により、全身の毛が抜けて、皮膚はガサガサ。歯の手入れなどしている訳もなく、歯石だらけで歯槽膿漏になってしまい、治療をしようとすれば、全部の歯を抜くしかないほどだとか。中には、生命が危険なほどの重症ワンちゃんもいたようです。

各病院の先生方の賢明な治療のおかげで、健康状態を取り戻したワンちゃん達は、不妊手術や予防接種も済ませて、新しい飼い主さん探しを始めています。

2月15日(金)午後2時~2月22日(金)午後5時まで、大阪府が飼い主を募集しています。詳しくは大阪府HPをご覧ください。

大阪府HPに譲渡会エントリー予定のワンちゃん達の写真が載っていて、コメントが添えられています。「人が好き、人懐っこい、寂しがり屋、元気、活発、おもちゃで遊ぶのが好き、賢い、食欲旺盛・・・」などなど。きっと、保護されてらっしゃった先生方が、「どうぞ、いい方のお目に留まって、このこの飼い主さんになってもらえますように。」と、願いを込めてコメントを添えたお気持ちが伝わってきます。

実際、保護されてらっしゃった先生にお聞きしても、人懐っこくて、明るく活発なワンちゃんだとおっしゃられます。諸事情あったにせよ、こんな劣悪な環境で犬を飼育するという虐待行為を犯してしまった事は罪ではありますが、ワンちゃん達の性格から察するに、「愛情」はあったのかな。。。なんて思うと、憎みきれない気もしたり、ちょっと、気持ちが救われるところでもあったりします。

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2013年2月 2日 (土)

鼻出血

カッコ良く言えば「鼻出血」。「鼻血(はなぢ)」ですね。

鼻血が出る原因。こんなところでしょうか。

①外傷。ぶつける、猫同士の喧嘩傷などです。

②鼻炎。人でも鼻炎がひどくなったり、鼻を強くかみすぎたりすると、血混じり鼻水が出ることがあると思います。猫ちゃんは、鼻をかんだりはできませんが、それ相当に鼻炎が慢性化すると、あげくには鼻出血をおこすほどのことになります。

③歯根炎。動物の犬歯(キバ)は、他の歯よりずっと長いですが、根も他の歯より長いのです。出てる部分と同じ長さの根があります。なので、鼻腔のすぐ下まで届く深さなので、歯根炎を起こすと、容易に鼻腔までやられてしまって、くしゃみ、鼻水、鼻血が出てしまいます。

④腫瘍。鼻の奥に腫瘍が出来ると、鼻づまりやくしゃみから症状は始まりますが、進行するにつれ、鼻出血を起こすこともあります。

⑤血液凝固異常。生体には、出血したら、それを止めようとする反応が起こるものですが、その機能異常が生じると、通常、気づかない程の微細な出血でも、出血しっぱなしになります。で、タラッと歯肉や鼻から出血したり、皮膚に内出血ができたりします。

先日、まだ1歳にならないスコティッシュフォールドさんが、くしゃみ時にスプレーで吹き付けたかのような鼻出血が出るとのことで来院されました。壁に吹きつけられた生々しい鮮血を、写真に撮ってきて見せてくださいました。恐らく、かなり驚かれたのでしょう。とかく、鼻や口の出血は、量が多くて色鮮やかなので、血を見慣れない一般の方々には、センセーショナルなことと思います。

この猫ちゃんのケースは、まだ若いということなので腫瘍は考えにくいでしょう。少し前に去勢手術を受けているけれど、血液凝固異常のトラブルもなかったということですし、歯はピカピカできれいなままで、歯根炎もなさそうです。喧嘩、事故もありえないとのことでした。よくよく、経歴をお聞きすると、幼少時にクシャミの治療を受けたことがあり、それからも、クシャミは完全には治まっていなかったようです。ということで、鼻血の原因は慢性鼻炎がヒドくなってしまったからと思われます。

だからって、そんなに血を吹き付けるほどに鼻血!?って思いますよね。私も思ってました。けれど、このスコティッシュフォールドという品種がこれほどメジャーになってから、鼻血スプレーに頻繁に遭遇するようになりました。どうやら、鼻がペシャンコで鼻腔が狭く、鼻の穴がちっちゃいもんだから、まさしくスプレー構造なんでしょうね。クシャミをすると、普通の鼻の猫ちゃんより、勢い良く噴射する分、鼻出血も起こしやすいのではないかと・・・。あ。こんなこと教科書に載ってるはずもなく、私の推測ですけど。でも、きっと、そうに違いありません。

治療は、通常の鼻炎治療は必要だとして、それだけでは治まらない重症さんには、消炎剤投与や吸入治療を組み合わせることもあります。ヒトなら、スプレー式の点鼻薬が有効なんでしょうが、猫ちゃんに「シュッ」は無理なので、鼻腔へも流れ込むのを期待して、点眼することもあります。ですが、慢性鼻炎は云わば持病ですので、重症化しないように付き合っていかなければなりません。

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