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2014年3月

2014年3月26日 (水)

当院でのワンちゃんの狂犬病予防接種について

ぐっと暖かくなってきました。もうすぐ、4月。春です。

4月といえば、獣医さん的には、狂犬病予防接種です。別に、春にしなきゃならないわけではありませんが、お役所仕事なもので、年度開始の4月に各家庭に案内が発送され、集合注射が開催されるのが、たいていの市町村で4月〜5月となっております。

堺市は、4月に集合注射が開催されます。堺市と堺市獣医師会の協力のもと、開催されますので、私も会員のお役目として、集合注射に出動が決まっております。

4月4日(金)と、4月18日(金)が担当日となっております。集合注射は13:30〜15:30ですが、今年は、遠い会場まで行かなければなりませんので、交通事情によっては、午後診療の開始時間を少々遅刻しての帰還になってしまうかもしれません。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご了承くださいませ。

昨年度までは、当院も堺市獣医師会会員病院ということで、ワンちゃんの狂犬病予防接種および堺市への登録業務をお受けしておりましたが、今年度から、堺市との契約形態に変更がございました関係上、当院ではお受けしないこととさせていただきました。ご利用いただいていた方には、ご不便おかけし、大変申し訳ございません。

なお、渡航のため猫ちゃんに狂犬病予防接種が必要な場合は、今まで同様、お受けいたしますが、在庫に限りがございますので、あらかじめ、お電話にてご確認のうえ、ご来院いただけますようお願いいたします。

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2014年3月20日 (木)

症例検討会

獣医療は、医療の後を追ってではありますが、日進月歩どころか分進秒歩の速さで進歩し続けています。

画像診断ひとつをとっても、私達より一回り上の先生方が学生の頃には、レントゲンの講義すらなかったのに、私達の時代で超音波検査が始まり、今や、CT・MRIも当たり前の時代になりました。

自分で言うのも変ですが、獣医さんは、本当に勉強熱心です。仕事が終わってからの遅い時間帯に夜中まで勉強会をしたり、休日返上でセミナーを受けたり。どんどん、新しい情報を吸収、習得しなければ、世の中のレベルについていけません。

そうやって、学術を高め合うために集まった仲間で創られた様々な会があり、私も、いくつかの会に所属していますが、そのうちの1つの会で、明日、症例検討会が開催されます。

当院開業前に勤務していた病院の院長先生が、若かりし頃、友人同士で膝を寄せ合い勉強し始めたのが会の始まりと聞きます。年々、仲間が増え、それぞれの病院も勤務医いを抱えるようになり、また、その門下生が加わりと、今や60病院を超える所属病院を持つ大きな会に成長しました。

明日は、各病院が症例を持ち寄り、学会形式で発表、討論する会です。大学の先生を数名お招きして、ご教授いただける貴重な機会でもあり、年代の異なる先生方との懇親を深める楽しい会でもあります。

この会と出会うきっかけを頂いた、院長先生が昨月、ご病気で他界されました。会を通じて、多くの先生方との繋がりを築かせていただけたことに、改めて感謝するばかりです。

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2014年3月 7日 (金)

乳び胸

頻繁におこることではありませんが、胸の中に「乳び」と呼ばれる、白濁した牛乳のような液体が貯留することです。たいていは、血液が混ざるので、ピンク色になります。胸の中を走っている、胸管という太いリンパ管からリンパ液が漏れ出たもので、成分には中性脂肪を多く含んでいます。

原因は、外傷や腫瘍などによる圧迫で、胸管が破錠してしまったり漏れ出てしまうことで生じるのですが、原因の特定ができない特発性のこともあります。

私が獣医さんになりたての頃、初めて診た乳び胸の猫ちゃんは、上品な初老のご夫婦が、お孫さんのように可愛がってらっしゃるキジトラちゃんでした。自由にお外で遊ばせてあげるのがよかろうと、よかれと思ってのことだったのでしょうが、猫エイズと猫白血病ウイルスの両方に感染してしまい、その影響でリンパ腫というリンパ節の悪性腫瘍を患ってしまいました。

一進一退しながらも、熱心に抗癌治療を試みて頑張っていましたが、とうとう、胸水が溜まり始めました。てっきり、リンパ腫による胸水かと思ったら、牛乳のような真っ白い液体=乳び胸です。

胸の前方の腫瘍化したリンパ節が、胸管という胸の中を走っている太いリンパ管を圧迫して破錠させたために、リンパ液が漏れ出てしまったと思われます。胸水が溜まると、呼吸困難になりますので、直接、命にかかわります。開胸手術をして、漏れ出てくるところを縛る手もありますが、この猫ちゃんには、到底、手術に耐える力はありません。

苦しくて、食餌もとれなくなった状態では、お家では手におえないということで、入院して最善を尽くさせていただくことになりました。胸の中に管を入れ込んでおいて、溜まってくる胸水をまめに抜去しつつ、リンパ液の元になる脂肪を制限した食餌を与えたり、胸の中の膜を癒着させることで、漏れ出てくるのをシーリングさせる薬を使ってみたり。

頚部には流動食を流し込むための管が入り、左右の胸からは胸水を抜くための管が入っていて、頚も胸もバンデージを巻かれて、管を噛み千切らないようにエリザベスカラーも付けられたキジネコちゃんの姿は、痛々しいとも思えますが、それでも、毎週末、ご面会に来られて、キジトラちゃんに会えるのが、本当に嬉しいご様子でした。

数週間の入院治療の成果、胸水が溜まらなくなり、胸の管を抜けることになりました。食欲が不十分なので、流動食を管から給餌しなければなりませんが、お家でやってみていただくことになり、頚の管とエリザベスカラーは付けたままですが、大喜びの退院です。

今なら、便利な粉末状の「流動食の素」があるのですが、当時、あまり良いものがなかったので、缶フードをミキサーにかけて、茶こしでこして流動食を作っていました。私達には手慣れた作業ですが、初めてやるとなると大変なことです。作成方法をメモに書いて、作るところを見ていただきながら説明して、管からの入れ方もメモに書いて、入れて見せながら説明して、一度、やってみてもらって、、、と、何とか、お家で暮らせたらと、スタッフも飼い主様も、一生懸命です。

しばらく、てんやわんやしながら頑張っておられましたが、やはり、大変だったご様子。平日、一人で頑張ってる奥様がヘトヘトになってしまいました。ご主人から、お仕事がお休みの週末なら手伝ってあげれるので、平日は入院させてほしいとお申し出があり、残念ながら再入院です。

週末になると、ご夫婦おそろいでお迎えにみえて、「では、ちょっと、お借りしますー♪」と、ニコニコ顔でキジトラちゃんを連れて帰るのが週末行事になりました。何度かの週末退院の後、病状が悪化して他界するまでに、初診から半年が経っていました。

よく頑張りました。キジトラちゃんも、飼い主様も。短いのか、長いのか、その価値はとらえる方次第でしょうし、そこまでするのは可愛そうなのか、でも、そうしてでもつなぎたい命なわけで。いろんなことを感じ、考えさせられた猫ちゃんでした。

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