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2015年3月

2015年3月31日 (火)

堺市狂犬病集合注射

4月3日(金)から4月22日(水)まで、堺市内で狂犬病集合注射が開催されます。

「猫の診療室」開院後、ワンちゃんの患者さんは、実家のルナちゃんだけですので、ちょっと、緊張しないでもありません。猫ちゃんのほうが、皮膚が柔らかいので、「お。硬い!」とか思ったりします。

たくさんのワンちゃんが集まるので、喧嘩しないだろうか、驚いて逃げてしまわないだろうか、注射の副反応が出ないだろうか。毎年、開催期間中は、落ち着きません。

医療設備のそろっているわけでもない屋外での接種ですから、万が一、アレルギー症状が出た場合などは、処置に苦慮するに違いありません。よほど重症の場合は、近隣の堺市獣医師会加入動物病院へ搬送して処置することになります。

私が出務に当たっている日程は、4月4日(土)、4月8日(水)、4月18日(土)です。狂犬病集合注射は13:30~15:30までですが、開催場所、交通事情によっては、午後の診療時間に遅れての帰還になるかもしれません。

通常通り16:00より、酒井獣医師が診療にあたりますが、少々、お待ちいただくことがあるかもしれませんので、ご容赦くださいませ。

**ワンちゃんを堺市狂犬病集合注射へお連れになる方へ**

今年度より、堺市から送付されてくる書類に、問診票の記入欄が設けられています。必ず、予めご記入のうえ、会場へご持参ください。

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2015年3月24日 (火)

再生医療

再生医療なんて、私が学生の頃には聞いたこともありませんでした。少し前に、世の中が大騒ぎになったSTAP細胞もそのジャンルの話ですが、まだまだ、未知、革命途上ではあるものの、医療、獣医療ではすでに成果をあげつつあります。

先だっての研究会では、再生医療をテーマにご講演いただきました。講師は、再生医療では権威ある大先生です。

脂肪幹細胞を利用した再生医療について、ご教授いただきました。幹細胞とは、細胞の始まりの未熟な細胞のことです。身体から取り出した、小指の先ほどの脂肪細胞を培養して、脂肪幹細胞を増やし、血管から体内に投与します。

体内に入ると、炎症が生じているところを察知して、速やかに集束していき、炎症を抑えて、修復していくそうです。椎間板ヘルニアや膵炎などで、良い成績が出ているようです。ただ、体内に腫瘍が発生している場合には、腫瘍の成長を促進してしまうため使えない治療法です。

リンパ球を培養して投与する、免疫細胞療法についてもご教授いただきました。抗癌剤や放射線療法のように、癌細胞にダメージを与えると同時に、正常な細胞にも多少のダメージが生じてしまう治療法と異なり、自己の免疫力を増強して、癌細胞と戦う力を強くする治療法ですから、正常な細胞にダメージを与える心配が無いという点では、身体にやさしい治療という点で支持されています。

もっとも、猫ちゃんに多い「リンパ腫」は、リンパ球自体が腫瘍化した疾病なので、この治療法は使えません。現状、「リンパ腫」には、抗癌剤を使用するしかないようです。

いずれも、まだまだ、始まったばかりの治療法ですから、良きにせよ、悪しきにせよ、解っていないことも多い治療法です。これから、ますます、進歩、解明されて、ヒトや動物の治療に役立ってくれることでしょう。

*STAP細胞→SMAP細胞と誤記していたようです。先日、ご指摘いただきました。なんでやろ?別に、SMAP好きではないんですけど。ありがとうございました。

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2015年3月10日 (火)

脳腫瘍

MRIやCT検査ができるようになって、今まで診断できなかった脳疾患が解るようになってきました。動物も高齢化して、ヒトと同じように腫瘍疾患が多くなりましたが、脳腫瘍もその一つでしょう。

勿論、脳疾患には腫瘍以外にも様々なものがあります。先天性脳疾患、感染性もしくは非感染性の脳炎、変性性脳炎、外傷による打撲・出血等、血管疾患等々と、診断にはCT・MRI以外の検査も合わせて探査しなければなりません。

ですが、よほど高齢になってから、少しずつ症状が進行する脳疾患の場合、やはり脳腫瘍を疑ってしまいます。その進行度合いや症状は腫瘍の悪性度や発生した場所にもよるのでしょうが、比較的穏やかに進行して、予想をはるかに超えて頑張り続けることもあり、驚かされます。当院でも、ここのところ、脳腫瘍と思しき4例の猫ちゃんが受診されていますが、症状はそれぞれ様々です。

ペルシャ猫さんの場合。初めて来院されたのは、半年くらい前です。夜間に、2階の踊り場から、階段の下まで転落したかもしれないということで来院されました。下半身が完全に麻痺してしまい、前肢でいざるようにしか動けません。排尿排便もできなくなってしまいました。半年ほどして、前肢にも麻痺が生じ始めて、急に亡くなってしまいました。初めは、転落したために生じたと考えていましたが、後から思えば、発作でも起こして転落したのかもしれません。

スコティッシュさんの場合。数年前に急性腎不全を生じて、それ以来、定期的に通院されていた猫ちゃんです。半年くらい前に、「引きこもっていて、元気がない。」ということがありました。腎性高血圧の影響か、眼底出血などもみられましたので、高血圧による不快感かもしれないと考えて、降圧剤を投与したら改善したことがありました。そのころから、手足が突っ張る等、不審な様子があることはお聞きしていましたが、その後に、明らかに四肢が突っ張り、頭が反り返る発作を繰り返すようになり、CT・MRI検査により脳腫瘍と判明しました。他に出血もあったようですから、高血圧の影響も少なからずあったのかもしれませんが、そもそも、半年前からの「引きこもり」も脳腫瘍が関係していたのかもしれません。

キジ猫さんの場合。1年以上前に、「何だか元気が無い。」ということで来院されました。血液検査、レントゲン検査、超音波検査と調べてみても、これといった確定的な問題が見当たりません。ちょうど、やんちゃ盛りのお孫さんが来ていて、追っかけまわしたり、つかまれたりとストレス満載だったので、そのせいかなあ。。。と言ってるうちに、調子良くなったのですが、その後に、四肢がふらついて立てない等の脳障害が出始めたので、後から思えば、お孫さんのせいでは無かったのかもしれません。高齢なこともあり、CT・MRI検査はせずに、消炎剤などで対処していますが、突然、立てなくなるほど酷くなって、「もう、難しいかもね。」と話していたら、また復活し、を繰り返しながら、穏やかに進行しています。

黒猫さんの場合。かれこれ3年以上になるでしょうか。四肢が麻痺して来院されました。高齢なので、CT・MRI検査は希望されないということで、消炎剤で対処していますが、当初は、よろつく程度で、治療するとマシになっていた麻痺が、だんだん進行して、今は全く立てません。それでも、食欲は良好。自分では動けないので、排尿したくなると鳴いて知らせるそうです。前肢も後肢もクネクネ、プラプラ。それでも、上体は起こすし、キョロキョロ頭を動かして見回したりと、表情は元気そうで、別段、辛そうではありません。手提げ袋からヒョイっと取り出されて診察を受けて、また、ヒョイっと手提げ袋に収納されてお帰りになります。一体、何がどうなっているのか不思議です。良性の腫瘍が、さほど生命にかかわらない場所に出来ているのかもしれません。

ヒトなら、頭痛、めまい、ふらつきなどの初期症状で自己申告ができますが、動物の場合、頭痛は解らないし、ひどくならなければ、ふらつきも解りません。CT・MRI検査も全身麻酔が必要なだけに、躊躇するところで、診断に至らない脳腫瘍は多くあるのだと思います。

病気を受け入れて看護されるご家族は、大変なことだらけだと思います。ただ、自己申告が出来ない分、自由に動けない苦痛、不平を聞かされ、いっそう辛くならずに済むのかもしれない。精神異常に陥ってしまってることもあるでしょうが、ヒトならば、会話が成り立たなくなる辛さは深刻ですが、動物とは言葉で会話するわけではないので、気付かずに済んでいるのかもしれない。と、ご家族のご心痛が、大きくなりませんようにと願うばかりです。

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