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2016年2月

2016年2月12日 (金)

迷子の猫ちゃん

1月末に、誤って外に出てしまい、探しても見つからないというご相談をお受けしていたキジねこちゃんが、懸命の捜査の成果、掲示したチラシをつてに情報が入り、無事見つかったと、ご来院くださいました。0206601560
少し体重が減り、貧血気味になっていましたが、大きく体調を崩したようでもなく、事故に遭った様子もなく、まずは一安心です。若くはないので、しばらく心配は続きますが、涙しながらご相談の電話をいただいたご家族の心中を思うと、お家に戻れて何よりです。

一方、こちらは、迷子の猫ちゃんを保護してくださってます。堺区のザビエル公園の北西、府道12号大和高田線の路肩で震えてうずくまっているのを保護してご来院くださいました。初めはビクビクしていましたが、優しく声をかけながらタオルでくるんでそっと診察していると、ゴロゴロと喉を鳴らし始めるほどのリラックスぶり。とても人馴れした猫ちゃんです。

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大きな外傷はありませんが、四肢の爪がボロボロでした。血液検査の結果からすれば、車にはね飛ばされて、驚き必至の猛ダッシュで、路肩にうずくまっていたのではなかろうかと推察されます。

大切にされてるご家族がいらっしゃるなら、さぞ心配されてることでしょう。お心当たりの方がいらっしゃいましたらご一報くださいませ。

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2016年2月 1日 (月)

膿胸

病名の通り、胸の中に膿が溜まる病気です。

直接、胸への傷から感染したり、肺炎から続発というケースもありますが、猫ちゃんの場合で最も多いのは、猫同士の喧嘩の噛み傷からの感染菌が、血液に乗って全身に回ったあげくに生じるものです。

猫の口腔内には、強毒な菌が多数あるためでもありますが、噛まれた猫側の免疫力にも関係しています。猫後天性免疫不全(猫エイズ)ウイルスや、猫白血病ウイルスに感染している猫ちゃんでは、生じやすく、治りにくく、再発しやすいものです。

近頃、お家の中だけでお世話してもらえてる猫ちゃんが増えましたので、この『膿胸』を診る機会はぐっと減りましたが、先だって、久々に『膿胸』の猫ちゃんを診ることになりました。

約2週間前に、後ろ肢の噛まれ傷に気づいていたそうなのですが、来院を嫌がるもので、なかなか連れてれずにいるうちに、元気も食欲も無くなってしまった。。。とのことです。

後ろ肢の外側にも内側にも噛み傷があり、腫れあがり、悪臭が漂うほどに化膿しています。すでに、立つこともできず、横たわり、荒い呼吸をしています。(噛み傷+胸水を疑わせる荒い呼吸=膿胸)

超音波で胸の中を診ると、いかにもドロドロした感じの液体が多量に溜まっているようです。1時間ほどかかって抜きとった膿は、なんと牛乳瓶2本分!ヘドロのような悪臭でした。

噛み傷から感染した細菌が体中に回って、細菌の毒素で命が脅かされるほどの状態に陥ってしまっていたのです。ここから、精一杯の治療をしたとして、果たして快方へ向かい生還に辿り着けるものか。可能性としては、五分五分よりずっと低いと感じました。

上手くして、頑張ってくれたとしても、それには相当の期間がかかります。自ずと、ご費用もかかります。車や機械の修理と違って、「治る」確約はできません。しかし、治療しなければ、数日以内に亡くなることは絶対です。

「治療する!」と覚悟を決めていただいて、入院治療が始まりました。胸の中に管を入れる手術をして、溜まってくる膿を抜いて、洗浄する処置を繰り返します。身体を支えるための点滴や流動食給餌、細菌を排除するための抗生物質注射、酸素室での入院と、人間さながらの精一杯の治療です。

時間はかかりましたが、少しずつ快方に向かい、食餌をとれるようになりました。酸素室から出ても、呼吸が荒くなることがなくなりました。今では、しっかり食べて、毛づくろいしたり、伸びをしたり、ご機嫌です。

血液検査や胸のレントゲン検査では、まだまだ十分な改善ではありませんが、なんとか、お家で治療を続けてもらえそうなくらいに回復し、今、お家のほうの退院後の準備待ち中です。

長く入院していたこが退院するのは、嬉しい半面、ちょっと寂しかったりもしますが、五分五分より低いと感じた可能性にかけてくださったオーナー様に感謝!と、闘い抜いた生命力に感動です。

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